二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋   ( No.122 )
日時: 2008/11/12 21:07
名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)

「どうして…どうしてフィルさんが…!?」

「分かりません…ただ、兵士達が置いて行ったと思われる手紙が、アレクさん宛に…。」

「見せて下さい!」

アレクはものの十数秒で手紙に目を通すと、手紙を放

り出して全速力であさっての方角に駆けて行った。

「何と書いてあったんですか?」

ゴドウィンは青くなっていたが、それでもなんとか冷

静を保っていた。アレクが置いて行った手紙を流し読

みしていたミストは答える。

「どうやら、アレクさんが来なければフィルさんの命が危ないみたいです。」

「ラ、ラグナさんは!?ラグナさんはいらっしゃらないんですか!?」

「それが…私も探してみたんですが、どうやらダンジョンに出かけてるみたいで…。」

「…とにかく避難命令を出しましょう。それからノーラッドの本国に連絡を…。」

「でも、そんな事をしてる間にフィルさんは…。」

海岸で二人が言い争いを続けている間、アレクは指定

された場所、ギガント山の北西の洞窟に向かっていた。


二十分後、指定された場所に辿り着いた。

「やっと来たな…。アレクとやら。」

「あ、あなたは……確か、リネット少佐!」

「フン、覚えていたか。左様、私はリネット。お前を捕らえよとの命を受けた。」

「き、来ちゃだめですアレクさん!この人達、あなたに何をするか…。」

見れば、洞窟の奥でフィルが手足を拘束され、兵士に

剣を向けられていた。

「おとなしく帝国に帰ってきてもらおうか。逆らえばあの娘の命はない。」

「あ、あなたたちはなんでアレクさんを執拗に追うんですか!?」

「ふん、知れたことだ。軍の内部情報の片鱗でも知る

者が国外に出られては困るのだ。ましてや、亡命先が

ノーラッドの領内となってはなおさらだ。そうでなけ

れば、こんなバカ正直な青二才に用はない。お前とい

う餌を用意しておけば、簡単に釣れるのだからな。」

「ひ、卑怯者!!」

「黙ってろ、このガキ!」

そう言って兵士は蹴りをいれた。

「きゃあっ!」

「フィ、フィルさん!やめろ!フィルさんに手を出すな!」

「それならおとなしく来てもらおう。さすればあの娘に手は出さん。」

「……わかった。僕はおとなしく帝国に戻る。」

「ア、アレクさん!ダメぇっ!」

「ふっ、潔い奴で楽だ。おい、こいつを縛れ。ついでだ。あの娘も連れていくぞ。」

「なっ!?約束が違うぞ!?」

「我々は手は出さんと言った。だが、あれくらいの娘

なら、他国に売ればそれ相応の金になる。売った先が

その娘をどうしようが、我々には関係ない。」

「ア、アレクさん……。」

アレクは全てがゆっくり過ぎていくように感じられた。

僕はまた、大切な人を失うのか?目の前で好きな人が

大変な事に巻き込まれているのに、僕はまた何もでき

ないのか_____?

違う。もう大切な人を___失いないたくない!!