二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋   ( No.126 )
日時: 2008/11/13 19:51
名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)

その時、洞窟に駆け込んでくる人の姿があった。

「フィ、フィルさんは、フィルさんは無事____の、ようですね…。」

そこに現れたのは、ハンターウルフのヴォルフに乗っ

たラグナだった。慌てて二人は離れたが、少々遅すぎた。

「ラ、ラグナさん…。」

「え、えーと…これは…その…。」

「す、すみません。僕お邪魔だったようなので、失礼します。」

そう言うと、ラグナは元来た道を引き返して行った。

「ラ、ラグナさん!?ご、ごか…いや、誤解じゃない

ですけど誤解なんですってばーー!」

アレクはそう叫んだが、ラグナはもう声の届かない所

まで行ってしまっていた。ふと嫌な予感がして振り返

ると、フィルが泣きそうな目でこちらを見ていた。

「誤解…なんですか…?」

「いや…だからえっと…その…。」

「誤解じゃ…ないんですよね?」

「は…はい!」

フィルはにっこりと笑い、アレクはもう一度フィルを

抱きしめた。例によって噂はその日のうちに広まり、

新しいカップルの誕生に一喜一憂する声が、カルディ

アの町を飛び交うのであった…。


冬の月に入ってしばらくたった。昼の公園に、一人の

少女がベンチに座っている。誰かを待っているようだ。

やがて待ち人がやってきた。藍色の髪と灰色の瞳をし

た少年である。

「もう〜アレクさん、遅いですよー!」

「ご、ごめんなさい…。それで、渡したいものって何なんですか?」

「じゃーん♪これですっ♪」

「これは…チョコ…ですか?」

「そうですよ。カルディアでは毎年この日に女性が好

きな男性にチョコを送るんです。」

「フィルさん…わざわざ僕の為に…?」

「当り前じゃないですか。アレクさんは、私の大切な人なんですから…。」

「フィルさん…。」

二人は見つめ合った。そのまま二人は近づき、キスを

交わした。

「アレクさん…いつまでも…一緒にいて下さいね…。」

「もちろんです、フィルさん…。」

二人を結ぶ強い絆は、何があろうとも揺らぐことはない…。

おまけ

「ラグナ様、今日は感謝祭なのでこれをどうぞ。」

「これは…なんか見た目変わったチョコですね…。」

「エルフの独自の調理方法で作りました。お口に合うといいんですが…。」

「はあ…じゃあ、頂きます…。……!お、おいしい!」

「良かった…気に入っていただけましたか?」

「エルフってすごいんですね。こんな美味しいチョコ

を作れるなんて…。ていうか、独自の方法ってどんな

方法なんですか?」

「うふふっ♪それはヒミツです。」

「そ、そうなんですか…。」

アナザーストーリー〜フィル編〜 完