二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 ( No.134 )
- 日時: 2008/11/18 00:17
- 名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)
第三幕 〜エルフと人間を繋ぐ橋〜
「ここが…エルフの森…。」
そこは見渡す限りの緑、緑、緑だった。バッファモー
のドッシの上で、ラグナは思わず感嘆の声を漏らし
た。その後ろでタバサは嬉しそうに周りを見回した。
「懐かしい…。やっぱり故郷っていいものですね…。」
少々時間を戻そう。四日前の事である。
「エルフの森に里帰りに行く?」
「ええ。私…ラグナ様と婚約しましたし、その報告も
兼ねてです。お休みももらってきました。」
「そうなんですか…。それで、僕に話というのは?」
「…あの…もし良ければ、私と一緒にエルフの森まで
来て下さいませんか?故郷の仲間に、ラグナ様の事を
紹介したいんです。」
「僕が…エルフの森に…。」
「…ラグナ様にも牧場の仕事があるのは承知しています。…ですが、もし良かったら…。」
遠慮がちに聞くタバサだったが、ラグナは微笑んだ。
「…ええ、喜んで。タバサさんの故郷にも行ってみたいし…。」
「牧場はよろしいのですか?」
「大丈夫です。ツンドレ達がやってくれます。」
そこまで聞くと、タバサは満面の笑みを浮かべた。
「嬉しい。ご一緒していただけるんですね。」
「楽しみですね。エルフの森……」
旅はかなり遠い道のりだった。ドッシに乗って野を越
え山越え谷越えて、二日がかりでエルフの森に到着した。
「すごいなあ。自然との共存って言うより、自然そのものが家みたいだ。」
「うふふっ。気に入っていただけました?」
「ええ、とても。タバサさんの故郷っていい所ですね…。」
そんな話をしてるうちに、どうやら見張り役らしきエ
ルフが近付いてきた。
「止まれ。何者だ?そなた、人間であろう?」
「私の顔を忘れましたか?ウィル。」
「あ、あなたはタバサさん!?お帰りになられたのですか?」
「ええ、里帰りでね。この人は私の婚約者なんです。
一緒に通して下さいませんか?」
「…そうですか。やはり人間と結婚なさるのですね…
おめでとうございます、タバサさん。」
「ありがとう、ウィル。…で、通してもらえるかしら?」
「はい、どうぞ。私は里長にタバサさんがお帰りになられたことを伝えて参ります。」
そう言うと、ウィルはどこかに走り去った。
「彼はウィルといって、里の見張り役なんです。私が
人間の町に行くと言った時は中立的な態度でした。」
「そうなんですか…。…それで、まずはどこに行きますか?」
「アリアナの家に行きましょう。私の親友なんです。ここから東に少し進んだ所です。」
「分かりました。」
ドッシは東に向きを変え、歩き始めた。