二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 ( No.139 )
- 日時: 2008/11/22 11:54
- 名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)
数分後、アリアナの家と思しき場所に着いた。タバサ
は入口のドアをノックした。「はーい」と中から声が
してドアが開き、桃色の髪をしたエルフの女性が現れた。
「タバサ!?タバサなのね!?久し振り!!」
「ただいま、アリアナ。本当に久しぶりね。」
「最後に会ったのはもう3年も前だからねー…あら?
そちらの方はもしかして…。」
「ええ、私の婚約者のラグナさんです。」
「は、初めまして…。」
「初めまして。あなたの事は手紙でタバサから聞いて
るわ。モンスターとも心を通わせられる、とっても素敵な方だって。」
「いや、そんな…。」
「ふふっ。まあ、ここで立ち話もあれだし、どうぞ入って入って。」
「えっと、じゃあ…お邪魔します…。」
アリアナの家の中は木造の質素な感じだったが、居心
地の良い家だった。
ラグナは見知らぬ土地に来たせいか、妙に緊張してい
た。タバサとアリアナは談話を続けている。
「人間の町はどんな感じだった?」
「手紙でも話したでしょう?皆さんとても優しくて良い人ばかりだって。」
「そっかー。人間はひどい奴ばかりだって言う人たく
さんいるけど、あれってやっぱり嘘なのかな?」
「やっぱりエルフの中にはそういう事を言う人もいるんですか?」
ラグナが会話に割って入った。
「そうね。そういう意識は昔からあるわ。私はそんな
ふうには思わない。エルフにはいろんな人がいるよう
に、人間にだっていろんな人がいる筈だもの。確かに
中にはひどい人もいるだろうけど、ひどい人ばかりっ
てことはないはずでしょう?」
「…そうですね。私もそう思ったから、人間とエルフ
がもっと仲良くなれるようにしたいと思って、人間の町に来たんです。」
「…なんか、すごいですね、二人とも…」
「あら、私なんか口だけよ。タバサみたいに人間の町に直接行く勇気なんてなかったわ。」
「それでも、そう考えることができるのはすごい事だと思いますよ。」
「そ、そうかな…ありがとう…。」
その時、ドアの外でドッシが唸る声がした。
「あ、まだ餌をあげてなかったんだった。ちょっと失礼しますね。」
そう言ってラグナが家を出て行った後、アリアナはそ
っとタバサに耳打ちした。
「本当に素敵な人ね。羨ましいわ。」
それを聞いて、タバサは答える代わりにニコッっと笑った。