二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 ( No.145 )
- 日時: 2008/11/23 22:28
- 名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)
やがてラグナが戻ってきて、三人で楽しくおしゃべり
していたが、突然家の扉がバーンと開いた。
「タ、タバサが…タバサが帰って来たって、本当なのか!?」
「レ、レオン!」
アリアナは驚いてドアの前に立っているエルフの青年
を見た。その青年はタバサの姿を見つけると、嬉しそ
うに顔をほころばせた。
「タ、タバサ!帰って来たんだな!」
「お久しぶりね、レオン。」
タバサは礼儀正しく挨拶したが、レオンは聞いていな
かった。ラグナに視線を移していた。
「…何で人間がここにいるんだ?…タバサ…お前まさか…。」
「…ええ、この方はラグナ様といって、私の婚約者…」
最後まで言い切らない内に、レオンは動き出していた。
剣を抜き、猛然とラグナめがけて突撃した。
「人間!貴様よくもタバサをたぶらかしたなあぁぁぁ!!」
「え?ちょ…たぶらかすなんて人聞きの悪い…」
「問答無用!!」
レオンは勢いに任せてラグナに斬りかかった。ラグナ
は反射的に剣を抜き、斬撃をギリギリで受け流した。
「ちっ、少しはやるようだな!だが…」
「やめて、レオン!話を…」
「うるさい!俺は認めないぞ!人間と結婚なんて…」
そう言いながらなおもラグナに斬りかかろうとした。
「…すみません。少し手荒な事をしますが…。」
「ああ!?何を言って…」
レオンがそう言うが早いか、ラグナは素早く剣を振る
った。キーン、と音がして、レオンの剣の刀身が折れた。
「な、何…?人間にこんなことができるわけが…。」
「いい加減になさい!レオン!あなたは昔から…」
「う、うるさい!くそっ!覚えてろよ!」
レオンはそう言うと嵐のようにアリアナの家から出て
行った。
「何だったんですか?今の人。」
「…彼はレオンって言って、人間をすごく嫌ってるの…。」
「でもいくら人間嫌いだからって、いきなり剣で斬りかかって来るなんて…」
アリアナとタバサは沈黙した。しばらくして、アリア
ナが言いにくそうに口を開いた。
「実はね…レオンはタバサの事が好きだったのよ。」
「え!?本当ですか?」
「ええ、本当です。私ははっきりと断りました。彼と
私とでは、あまりにも進む道が違い過ぎましたから…。」
「…でもあの人、人間に対する憎悪が尋常じゃないって言うか…。」
またしばしの沈黙。しばらくして、タバサは言葉を選
びながら話し始めた。