二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 ( No.161 )
- 日時: 2008/12/04 18:55
- 名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)
里長の家は、大樹をそのまま家にしたような物だった。
木の幹の部分に、入口と思われるドアがあった。タバ
サがノックする。 コンコン ガチャ
「おお、タバサではないか。しばらくぶりじゃな。ウ
ィルからタバサが帰ってきたと聞いて、いつ来るかい
つ来るかと待っておったよ。」
「お久しぶりです、長。この度は、婚約のご報告をしに参りました。」
「うむ、知っておる。そなたが人間の町に行くと言い
出した時にはどうなることかと思ったが…どうやら取
り越し苦労だったようじゃな。…それで、そちらの方
が婚約者の方かな?」
「あ、はい。ラグナといいます。」
「ふむ……。」
そう言うと、長はじっとラグナの瞳を覗き込むように観察した。
(ふむ、優しい光が宿っておる。タバサが見込んだだけの事はあるようじゃな…。)
「あの…どうかなさいました?」
ラグナは自分の見つめ続ける長に聞いた。
「うむ、お主ならタバサを幸せにすることができるじ
ゃろう。夫婦仲良く暮らすのじゃぞ。」
「??は、はあ…。」
まるでわけが分からないという表情のラグナを見て、
タバサはクスッと笑った。そして再び、長の方に向き直った。
「ところで長…。近頃この辺りにも、凶暴なモンスタ
ーが増えていると、アリアナが手紙で知らせてくれたのですが…。」
「うむ、そうなんじゃ…。じゃが幸いにも、それほど
強いモンスターは今のとこ出てきておらん。我々で追
い払えるくらいのものじゃ。タバサが心配する必要は
ない。ラグナ殿と幸せになるのじゃぞ…。」
「はい、ありがとうございます。」
「ラグナ殿、タバサをくれぐれもよろしくお願い申し上げる。」
「はい、こちらこそ…。」
「モンスターが増えてるって、ちょっと心配ですね…。」
「はい…。一応この里にも、自警団として戦闘に長け
た者はいるので、大丈夫だとは思うのですが…。」
「…二、三日ここに泊まって、様子をみてみましょうか?」
「え?よろしいのですか?」
「もちろん。タバサさんの故郷の事ですし、ほっとけないですよ。」
「あ、ありがとうございます…。」
その様子を、レオンは近くの木の影から見ていた。
(タバサ…あいつの事が大事で仕方ないって顔だな…
でも…目を覚まさしてやらなきゃ…。人間はろくでな
しばっかなんだから!)
かくしてレオンは、タバサへの説得を決意した。