二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 ( No.18 )
日時: 2008/10/10 22:53
名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)

夜十時頃。そろそろ寝る時間である。とはいえ、ダブ

ルベッドとはいえどもベッドは一つである。ラグナは

寝床をどうするつもりなのだろうか、とタバサが考え

ている所へ、ラグナが近寄ってきた。

「タバサさん、ちょっとじっとしてて下さいね。」

そう言ったかと思うと、ラグナは顔をタバサの顔の至

近距離まで近づけた。

「ラ、ラグナ様!?な、なにを・・。」

答える代わりに、ラグナは自分の額をタバサの額にぴ

たりとくっつけた。ほんの数秒の間だったが、タバサ

は一分間くらいそうしていたような気がした。ラグナ

タバサから顔を離すと、心配そうな表情をして言った。

「タバサさん、まだ熱が高いですね・・。」

「・・・そうみたいですね。」

熱を測ってくれていたことは分かったが、動悸がまだ

収まらない。熱のせいか、今の出来事のせいかは分か

らないが、顔も火照っていた。体のだるさもまだ抜け

ていない。お世辞にも症状が良くなっているとは言えない。

「・・じゃあ、ちょっと待ってて下さいね。」

そう言うと、ラグナは棚から『調合白書』と書かれた

本と、冷蔵庫から色とりどりの草を取り出してきた。

「ラグナ様・・?何かなさるのですか?」

「ええ、ちょっと・・。」

そう答えると、ラグナは作業場の方に消えた。「えっ

と、ここをこうして・・。」などと独り言が聞こえて

きた。五分ほどすると、ラグナは作業場から戻ってきた。

「タバサさん、これどうぞ。」

「これは・・風邪薬・・・ですか?」

「はい。エルフに効くかどうかは分かりませんが・・。」

タバサは差し出された薬を見つめた。いくらこの人で

も、薬の調合までできるのだろうか?そう考えていると、

「あ、不安ならいいです。明日の朝一番で風邪薬買っ

てきますから。」

とラグナは言った。

(私のためを思ってくれているのに、ここで拒んだり

したら、ラグナ様を傷つけてしまいますね・・。)

そういう思いもあって、タバサは飲んでみることに決めた。

「いいえ、ありがとうございます。私のために・・。」

そう言うと差し出された薬と水を取って、飲み干し

た。ラグナはにっこりと笑った。

「信じてもらえたみたいで、嬉しいです。」

タバサは心なしか、体が軽くなったように感じた。