二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 ( No.184 )
- 日時: 2008/12/15 21:50
- 名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)
「う…」
全身がズキズキする。…あ、そうか…僕はドラゴンに
向かっていって、逆に吹っ飛ばされたんだっけ…。
なんか、体が重い…。誰かが僕に覆いかぶさってる…?
あれ…?なんだか赤いものが見える気が……。
「ラ、ラグナ様…大丈夫ですか…?」
その言葉で、ラグナはようやくぼんやりした思考から
抜け出た。そして、ラグナの目に飛び込んできたのは…。
「タ、タバサさん!?ち、血が…。」
「だ、大丈夫です…。ドラゴンの爪が肩をかすっただけですから…。」
大丈夫とは言いながらも、タバサは息も絶え絶えであ
る。よほど痛むのを我慢していると見える。
「ごめんなさい…僕のせいで…。」
「…痛っ…ラ、ラグナ様のせいなんかじゃありませ
ん…。ラグナ様だって…エルフの森を守ろうとしてくれているのですから…。」
だがそうこうしているうちにも、戦局は悪化する一方
だった。ドラゴンはひとまずラグナから気を逸らした
ようだったが、遂に里の一部分に到達していた。何軒
か家が倒壊している。
「こ、このままでは里が…。」
タバサは涙を浮かべながら、里に侵攻しようとするド
ラゴンを見つめていた。
僕は何もできないのか?
大切な人の故郷が荒らされている。
それでも何もできないのか?
このドラゴンは強すぎる。
何をしたって歯が立たない。
でもだからって、ここで諦めるわけにはいかない。
せめて____せめて僕にもっと力があったら______。
心の中で何者かがラグナに呼びかける。
『念じよ。自分が信じる強き思いを。さすれば無限の力、汝に与えられん。』
「やめろ…これ以上…」
「?……ラグナ…様…?」
強烈なまでの威圧感。手で触れそうな程の闘気。明ら
かに普段のラグナとは違う…。
「これ以上、タバサさんの故郷を傷つけるなああぁぁーーーーーー!!!」
ラグナの魂の叫びが、エルフの森全体に広がった…。