二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 ( No.195 )
- 日時: 2008/12/20 00:16
- 名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)
翌朝 ラグナは目を覚まし、長や他のエルフの住民達
から感謝の意を述べられることとなった。
「本当にありがとうございました。ラグナ殿がおらなんだら、今頃里はどうなっていたか…。」
「いや…でも、自分でもどうやってあんな力を出せたのか、皆目分からないんです…。」
「うむ、それは今知る必要はない。自分で追々理解し
ていくものじゃよ。力というのはそういうものじゃ…。」
「は、はあ…。」
「それにしても、もう少しゆっくりして行かれると良いのに…。」
「申し訳ありません、長。ですが、私もラグナ様も人間の町での仕事もありますので…。」
「そうか…。では、また会えるのを楽しみに待つとしようかの…。」
出発までには色々苦労させられた。まずドッシが里の
北部から少し離れた河でショック状態で発見され、命
に別条はなかったもののなだめるのに少し時間がかか
った。他にも里を歩いていると至る所からエルフの住
人が出てきて感謝の言葉を述べられ、握手を求められ
た。おかげで思うように歩けず、なかなか里の入口に
たどり着けなかった。
ようやっとの思いで里の入口に辿り着くと、そこには
アリアナ、エンドール、そしてレオンが待っていた。
「タバサ…もう行っちゃうのね…。」
「ええ、私にはまだ人間の町でやらなければならないことがたくさんあるから…。」
「たまには帰ってきて、土産話聞かせてよね。」
「ええ、もちろんよ…。」
「ラグナさん、エルフの森を救ってくださって、本当にありがとうございました。」
「いえ、僕一人の力じゃありませんし…。」
「私もタバサに負けないよう、人間の町で多くの人間と交流できるように努めたいと思います。」
「そうですね。頑張ってください、エンドールさん。」
「……おい。」
これまで口を開かなかったレオンが口を開いた。
「え?なんですか?」
「…その…ありがとう…。親父の仇を…とってくれて…。」
「レオンさん…。」
「だ、だけどな!お前がもしタバサを不幸にするよう
なことがあってみろ!俺が飛んで行ってお前をぶっ飛ばしてやるからな!」
「やめといたら?返り討ちにされるだけよ。」
「なっ…アリアナてめえっ…!」
「あはは、分かりました。返り討ちにせずに済むように気をつけます。」
「なっ…何だとこのやろーー!」
「それじゃアリアナ、エンドール、レオン。また会いましょう…。」
アリアナとエンドールが大きく手を振る中、レオンは
「てめえ戻って来い!今すぐ俺と勝負しろーーー!」
等と叫んでいるのであった…。
「ラグナ様には、どれほど感謝しても足らないくらいです…。故郷まで救っていただいて…。」
「そんな、当然のことですよ。タバサさんの大切な場所は、僕にとっても大切な場所ですから。」
「ありがとうございます…本当に…。」
「いえ、もういいですって…。」
しばらくの間沈黙が続く。不意にタバサは口を開いた。
「ラグナ様…。」
「はい?」
と、ラグナが振り向いた瞬間、タバサはラグナの唇に
自分の唇を重ねていた。
そうして二人は、カルディアに帰って行く_____。
第三幕〜エルフの森編〜完