二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 第4幕連載中! ( No.238 )
日時: 2009/01/07 19:25
名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)

一方、こちらヴィヴィアージュ邸

「タバサ、荷造りできたの?今日からでしょ?ラグナと一緒に暮らすの。」

「はい、ちょうど今終わったところです。」

ビアンカがタバサの部屋に入っていくと、部屋はもう

ほとんど綺麗に片づけられていて、あるのはタバサの

脇に置かれている、タバサの服や貴重品等を詰め込ん

だ鞄だけだった。

「本当に良かったのでしょうか…私が出て行って…。」

「そうね…できれば私もタバサとずっと一緒にいたかったわ…。」

「お嬢様…。」

「でも、そういうわけにもいかないでしょ?私もいずれは結婚するかもしれないし…。」

「……」

タバサは黙ったままだった。本当に残して行って大丈

夫だろうか?そんな疑問が幾度となくタバサを悩ませ

てきた。そして今もまた、同じ疑問がタバサの頭を飛

び交う。ビアンカは続ける。

「大丈夫よ。新しいお手伝いさんも頼んだみたいだ

し。…もっともその人がどんなに優秀でも、タバサに敵うとは思えないけどね。」

「お嬢様…今まで本当にお世話になりました…。」

「やめてよ、そんな二度と会えないみたいな言い方。

いつでも会えるわよ、こんな狭い町に住んでるんだから。」

「…そうですね。じゃあお嬢様、どうかお体に気をつけて…。」

そう言ってタバサは部屋から出る。部屋の外にはジャコリヌスも待っていた。

「おお、もう出るのかタバサ。やれやれ、タバサがいなくなると寂しくなるのう…。」

「今まで本当にありがとうございました、ジャコリヌス様…。」

「ほっほ、お礼を言うのはこっちの方だのお。タバサの料理はとても美味かったからのう…。」

「お父様…最後の最後まで食事の話?」

「あ、いやいや…。まあ、新しいお手伝いも頼んでお

いたし、家の事は問題ない。ラグナ殿と幸せにのう…。」

「ありがとうございます…。…では、そろそろ行きます…。」

「たまにはここにも遊びに来なさいよ?」

「ええ、もちろんです。」

「また美味い料理を作ったら持ってきてほしいのう…。」

「もう、お父様!」

「クスクス…はい、分かりました。…それじゃあジャコリヌス様、ビアンカお嬢様、お元気で…。」


そうして、タバサはヴィヴィアージュ邸を出た。今ま

での生活から離れたことへの寂しさもあった。だがそ

れ以上に、新たな生活への期待と幸福がタバサの心を

躍らせるのであった……。