二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 第4幕連載中! ( No.241 )
- 日時: 2009/01/12 23:28
- 名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)
その頃、こちらはラグナの家。
「ええ!?宿屋がいっぱいで泊めてもらえる部屋がなかったあ!?」
「そうなんです…。」
まあ、アレクもいるもわけだし、そうそう大きい宿で
もない。仕方がないと言えば仕方がないが、その一言
で片付くような問題ではなさそうだった。
「それで…ラグナさんにお願いが…。」
「え…な、なんですか…?」
大体予想はついたが、今日だけは何としてもそれは避
けたかった。よりにも寄ってこんな日に…。
「えっと…命を救っていただきながらおこがましいとは思うのですが…。」
「もう!まどろっこしい!ラグナ!悪いけどコニファ
ーおばさまが戻ってくるまで家に泊めてちょうだい!」
やっぱりか。ラグナの最悪な予想が的中した。
「お、おいミシェカ…少しは遠慮というものを…。」
「何よ!カロークだって野宿は嫌でしょ!」
二人がそんな言い合いをしている最中、ラグナの中で
は二つの心が熾烈な争いを繰り広げていた。
一方の心(二人への同情)が言う。
(泊めてあげればいいだろう!君は他人への優しさを忘れたのか!?)
するともう一方の心(タバサへの気遣い)も言う。
(いや、一緒に暮らし始める初日に人を家に泊めるの
はさすがにやばすぎる。すれ違いが起きることだってあり得るんだぞ!)
(タバサさんだってきっと承諾してくれるさ!)
(そうやって君はタバサさんの優しさに甘えるつもりか!)
二つの心は両者一歩も引かない。
「ラグナお願い!人助けだと思って!」
「ラグナさん…申し訳ないですが、どうか…。」
二人の懇願がラグナに追い打ちをかける。
(ああーー!僕は一体どうすればいいんだーー!)
強烈な葛藤に苛むラグナだったが、その時不意に誰かがラグナに呼びかけた。
「あら?どうかなさったのですか?ラグナ様?」
三人そろって声がした方を振り向くと、そこには大き
な鞄を両手に持ったタバサが立っていた。
(今一番来て欲しくない人来ちゃったああああ!!)
心の中で悲痛な叫びを上げるラグナ。
「わ、綺麗な人。あの人誰?」
「さあ…。」
「ラグナ様、そちらの方達は…?」
ラグナは何をどこからどう説明すれば良いのか分からなくなった。
結局この後、事情を聴いたタバサの「泊めてあげまし
ょう」の鶴の一声で二人を泊めることが決まったのであった…。