二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 第4幕連載中! ( No.247 )
- 日時: 2009/01/15 00:10
- 名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)
「わあー、すごーい!ラグナの家広ーい!」
嬉しそうにはしゃぐミシェカとは対照的に、カローク
はさっきからタバサとラグナに謝り通しだった。
「本当にすいません…。まさかお二人の同棲初日に押し掛けてしまうとは…。」
「いえ、いいんですよ。気にしなくても。」
「そうですよ。困っている人を助けるのは当然のことです。」
「ねえ〜、そんなことよりお腹空いた〜。」
「この馬鹿!お前も少しは謝れ!」
またしてもミシェカの頭をスコーン!とやるカローク。
「あ痛っ!もう!痛いってゆーの!」
再び喧嘩を始めようとする二人。
「ど、どうどう。すぐに晩御飯の用意しますから、落ち着いて待ってて下さい…。」
三十分後。ラグナとタバサが腕によりをかけて作られ
た料理がテーブルに並べられた。品数も多く、どれも
これもが美味しそうに見えた。
「わあ、すごーい!これ全部二人で作ったの!?」
「ええ、そうですよ。」
「こんなに頂いて良いんですか?」
「どうぞ。遠慮なく召し上がってください。」
4人での食事をしている途中、ふとタバサは気になっていた事を聞いてみた。
「そういえばお二人とも、どうしてグリード洞窟のような危険な場所に入ったのですか?」
「…そういえば、ドタバタしててまだ聞いてませんでしたね。」
ラグナもそう言って食事の手を止めた。
「あほへ、ほひふぁーおはははほおひほほほ…。」
「…ミシェカ、口の中のもの飲み込んでから喋れよ…。」
言われてミシェカは、口の中のものを飲み込み、再び喋り出した。
「あのね、コニファーおばさまのお仕事を手伝う為に来てたの。」
「お仕事…ってどんな?」
「僕の母は、植物学者なんです。いろんな場所の植物
を見て回っていて、今回はグリード洞窟にたくさんの
種類の植物が繁栄してると聞いて、調査に来たんです。」
確かにグリード洞窟は春。しかも人が入り込むことは
まずないので、植物が育つ環境としては最高だろう。
「で、あたしたちはコニファーおばさまの手伝いでついてきたってわけ。」
「…本当は僕と母の二人でここに来る予定だったんで
すが、こいつがどうしても一緒に行くと駄々をこねて…。」
「う、うるさいわね!あんた一人じゃ不安だったから一緒についてきてあげたのよ!」
「余計な御世話だっつうの…。」
「むきーーーっ!何よその言い種はーーっ!」
またしても言い合いを始める二人。その様子をラグナ
とタバサは微笑ましげに眺めていた。
(なんだかんだ言ってお似合いかもしれませんね、この二人…。)
(クスクス…私もそう思います…。)
やがて食事も終わった。ミシェカは満足そうに言う。
「あー、超美味しかった!ラグナとタバサさんの最強コンビには誰も敵わないよ!」
「御馳走様でした。本当に美味しかったです。」
「気に入ってくださったのなら嬉しいです。こちらも作るかいがあります。」
「ところで二人とも、寝床はどうしますか?僕の家、ダブルベッドが一つあるだけなんですけど…。」
「大丈夫!あたしたち寝袋持ってきてるから!」
「…少しは気を使えるようになったと見えるな。」
「あたしだって空気くらい読めるわよ!」
「ふん、どーだか。」
「ま、まあまあ。なにも寝る前まで喧嘩しなくたっていいじゃないですか…。」
そんなこんなで各々が寝床に入った時、ベッドの中で
ラグナはタバサにそっと耳打ちした。
「すいません、タバサさん。一緒に暮らす初日からこんな状態で…。」
暗い中でよく分からなかったが、ラグナにはタバサが
微笑んだように見えた。
「いいんですよ、ラグナ様。大勢の方が楽しいですし。
それに私…誰かを助けようとしているラグナ様を見るのが好きですから…。」
こうしてラグナとタバサの共同生活は始まってゆく…。