二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 第4幕連載中! ( No.276 )
日時: 2009/02/04 23:28
名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)

その頃、スズは買い出しの為雑貨屋に行く途中だった。

買い物メモを片手に歩くスズを、誰かが呼びとめた。

「そこの方。」

言われてスズが振り返ると、一人の男が立っていた。

「なにか御用ですか?」

「ラグナさん達は動き始めましたよ。あなたは…よろしいのですか?」

「……おっしゃる意味が良く分かりませんが…。」

「あなたは目的があってこの町に来たのでしょう?そ

れを果たすチャンスがあるとすれば、今が好機と思いますが?」

(この男…何故そんな事を…?一体何者…?)

スズは探るようにその男を見る。

「失礼ですが、お名前は?」

「イヴァンと申します。旅の行商人をやっております。」

(行商人…か…。しかしそれにしても…誰かに似ているような…。)

そう考えながらスズは質問を続ける。

「何故私が目的をもってこの町に来たと思われるのですか?」

「この町の方はなぜかわけありの方が多いのでね。」

ひどく曖昧な答えが返ってきた。スズは思わず聞き返す。

「そんな曖昧な忠告を信じろと?」

「信じる信じないはあなたの自由です。ただしこれだ

けは言えます。今があなたにとっての好機だと…。」

そう言うと、イヴァンは何処かへ歩き去った。その場

残ったスズは長いこと立ち尽くしていた。

(ラグナさん達が動き始めた…。それなら確かに好機

かもしれない…。しかしどうしてそれをあの男が…。)

スズは考えを巡らせながらも、足は自然と動いていた。

雑貨屋に曲がる角を通り過ぎ、牧場の方へ____。


その一時間後。タバサは雑貨屋にて買い物をしている最中だった。

「はい、合計で二千Gです。」

「はい…どうぞ。」

「ひい、ふう、みい…はい、確かに。ありがとうございまーす。」

買い物袋を下げ、雑貨屋を出ようとしたその時、急に外側から扉が開いた。

「ロゼッタ、スズはここに来なかった?」

「スズ?さあ…見てないけど…。」

「そう…。」

「お嬢様…どうかなさったのですか?」

そこでビアンカは、ようやくタバサの存在に気づいた。

「あら、タバサ…。ねえ、タバサは知らない?スズが買い出しに行ったきり戻ってこないのよ…。」

「スズさんですか?…そういえば、家を出る時にそれらしき人を見かけたような…。」

「どっちに行ったの?」

「遺跡の方だったと思いますけど…。でも、もしスズ

さんが遺跡に行く理由なんて…って、お嬢様!?」

タバサが気付いた時には、ビアンカは雑貨屋を走り去っていた。

「ま、まさか…追いかけなければ…。」

そうしてタバサもビアンカの後を追うべく、雑貨屋を走り出て行った。

さまざまな想いが複雑に交錯する中、決戦の時は訪れる…。

第4幕〜新たなる来訪者〜 完