二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 ( No.28 )
日時: 2010/07/29 08:00
名前: リュウ (ID: nc3CTxta)

翌朝

タバサは目覚めた時、一瞬自分がどこにいるか分から

なかった。ベッドのすぐそばで寝袋にくるまっている

ラグナを見つけ、ラグナに看病してもらっていたこと

を思い出した。それにしても信じられないくらい体が

軽い。熱っぽさもなく、倦怠感も全くない。ラグナの

風邪薬は、抜群に効いていた。

(本当にあなたはすごい御方です・・ラグナ様・・)

この人なら大丈夫・・。本物の優しさを持っている

・・。そう思うタバサであったが、実際ラグナの競争

率は半端なものではない。ミストやロゼッタは毎日の

ように顔を合わせているし、フィルは病気を治しても

った。その他の面々も、少なからずラグナに好意を寄

せている筈である。そしてなにより・・・

「お嬢様も・・ラグナ様が好きでしょうしね・・。」

タバサは呟いた。呟いたつもりだったが、どうやら今

のでラグナを起こしてしまったらしい。

「う・・ん・・あ、タバサさん・・おはようございます・・。」

「あ、すみません・・起こしてしまったみたいで。」

「ああ、いえ・・気にしないでください。」

ラグナは大きく欠伸をしながらタバサに聞いた。

「そういえばタバサさん。体の具合はどうですか?」

「ええ、もうすっかり。ラグナ様のお薬が効いたみたいです。」

「そうですか。良かったです、タバサさんが元気にな
って。」

心の底からホッとしたような笑顔だった。他人のため

に、ここまで一生懸命になれる人はそうはいない。タ

バサは心に決めた。例えどんなに困難でも、この人と

共に夢を歩もうと・・・。


「もう少しゆっくりして行かれるといいのに。」

「いえいえ、お屋敷の仕事も溜まってるでしょうし、

ビアンカお嬢様にも、早く帰ってくるよう言われてますので。」

タバサはいつも通りのメイド服と帽子に戻っていた。

牧場の傍まで、ラグナは見送りに出ていた。

「何のお礼もできずに、申し訳ないです・・。」

「いいですよ、そんな。困った時はお互い様ですよ。」

「ですがせめて・・・せめて・・・。」

「・・・え・・?」

ほんの一瞬の出来事だった。タバサはごく自然にラグ

ナに近づき・・・そっとラグナの頬に口づけした。