二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 第4幕連載中! ( No.280 )
日時: 2009/02/10 22:08
名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)

第五幕〜VSグリモア それぞれの目的〜

「ねえ、シャロン。ここにスズは来なかった?」

「スズさんですか?確かグリード洞窟の方に行かれたと思いますが…。」

「…分かったわ、グリード洞窟ね。」

そう言ってビアンカは再び走り出そうとしたが、それ

を必死で呼びとめる声が後ろから走って来た。

「お嬢様!待って下さい!お嬢様!」

「タバサ…。」

タバサはようやくビアンカに追いつき、息も絶え絶えに話した。

「お、お嬢様…洞窟に…入っては…なりません…。」

「どうしてよ!スズが中にいるかもしれないのよ!」

「危険すぎます!カルディアで最も危険な洞窟なのですよ!そんな所にお嬢様を入れるわけには…」

「あなたはもう私のメイドじゃないのよ!?タバサには関係ないじゃない!」

「!!……」

しばらくの間気まずい沈黙が続く。ビアンカもさすが

に言い過ぎたと思ったのか、言いにくそうに切り出した。

「ごめん…つまり…そういうことじゃなくて…。」

どういうことじゃないのかよく分からないが、タバサには今ので充分伝わったらしい。

「ええ、分かっています。確かに私はもうお嬢様のメ

イドではありません。ですが、だからと言って行かせ

るわけにはいきません。自分から死にに行くようなものなんですよ?」

「でも…そうだとしたらスズは…。」

「自分から入ったということは、生きて出て来れる自

信があるのでしょう。…今はスズさんを信じて待ちましょう?」

「…タバサは心配じゃないの?ラグナの事…」

「…正直に言うと、私も心配でたまらないです…。で

も、私は信じています。ラグナ様は、きっと無事で戻って来てくれると…。」

「…分かったわよ。私も信じる。スズはちゃんと戻ってくるって…。」

「…大切なんですね…。スズさんの事…。」

「そっ、そんなんじゃないわよ!スズは思ったより優秀だったから、手放すのが惜しいだけよ!」

「ふふっ、そうなんですか…。」

相変わらず嘘が下手な人だなあ、等と思いつつ、タバ

サは全員が無事に戻ってくることを祈るのであった。


ラグナ一行はモンスターを蹴散らしつつ、順調に洞窟

を進攻していたが、さすがに三人とも疲労してきた為

モンスターが来ない所で休憩をとっていた。

「ねえ、ラグナってさ。」

ふと思いついたようにミシェカが尋ねた。

「え?なんですか?」

「いつタバサさんと結婚するの?」

「…今、それを聞く必要があるのか?」

「だって気になるんだもん。」

「…そうですね…近いうちに式を挙げたいとは思ってます。」

「そっかあ〜。いいなあ〜、憧れるなあ〜。」

「ミシェカには縁のない話だろうけどな。」

「ええー!何でよーー!?」

「だってお前、その低い背とその童顔じゃあ___げふああっ!!」

ミシェカの痛恨のエルボーがカロークの横っ腹に炸裂した。

「それを言うなってゆーの!!」

「あははははっ。」

「笑うなー!ラグナーー!」

外で心配している人がいるとは露知らず、あまり緊張

感のない三人なのであった…。