二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 ( No.42 )
- 日時: 2008/10/21 19:56
- 名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)
「・・・なんか少し・・緊張するな・・。」
ラグナはヴィヴィアージュ邸の前に来ていた。来たま
では良かったが、どうにも入りづらかった。
思えばここ二週間、一度もまともに話していない。緊
張のも当然と言えば当然である。とはいえ、いつまで
もここで立ち往生してるわけにもいかなかった。意を
決してドアノブに手を伸ばしたその時____
ガツン!というなんとも痛そうな音が響いた。
「%<χ★÷※&!?」
痛さのあまりろれつが回らず、目が涙で滲み、痛む所
を抑えながらラグナが見たものは、たった今ヴィヴィ
アージュ邸から出てこようとしたタバサだった。
「ラ、ラグナ様!?ご、ごめんなさい!ドアのすぐそ
ばに立っていらしただなんて・・・。」
「い、いえ、大丈夫です・・・。いたた・・。」
「ほ、本当にごめんなさい・・・。」
しばらくして顔の痛みも治まり、タバサも落ち着きを
取り戻した。
「それで・・なにか御用があって来たのですか?」
「え・・ええと・・き、今日はいい月見日和になりそうですね・・。」
ラグナは自分自身を呪いたくなった。そんなこと言う
ために来たんじゃないだろ。
「ええ、そうですね。人間はこの日、好きな女性を誘
ってデートするんですよね・・・。」
(人間は・・・か・・・。)
エルフの人とお月見する人なんて、そうそういないだ
ろうな、などと考えていると、自然と気持ちが楽にな
ってきた。今度こそ、と覚悟を決めて口を開く。
「そ、それでですね、タバサさん・・。」
「は、はい・・。何でしょう?」
「その、良かったら・・・今夜、僕とデートしませんか?」
・・・言えた。ちゃんと言えた。しゃきっとしてるか
どうかは微妙だけれど。
「私とデート・・・ですか?」
「はい・・タバサさんさえ良ければ・・・。」
タバサは俯いたまま沈黙していた。やおら、タバサが
口を開いた。
「ラグナ様とでしたら・・・喜んで。」
「ほ、本当ですか?」
「はい・・・。」
「じゃ、じゃあ・・・今夜八時に、クレメンス山で。」
「はい、楽しみにしています。」
そういって顔を上げたタバサの顔は、今まで見たこと
がないほど美しい笑顔だった・・・。