二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 ( No.53 )
- 日時: 2008/10/24 22:23
- 名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)
ドンガラガッシャーーン!!!
下から聞こえてくる凄まじい轟音に、タバサは飛び上
がった。すぐさま部屋を出てフロアに出た。ビアンカ
も部屋から出てきていた。
「タバサ!なんなの、この音?」
「分かりません。地下室からのようですが、もしかしたら・・。」
もしかしたら、なんなのか。ビアンカはそれを聞こう
としたが、不意に玄関の扉がバタンと閉まる音がし
て、そちらを振り返った。しかし、ビアンカが見た時
にはもう誰もいなかった。
タバサとビアンカが地下室に到着すると、あたふたし
ているジャコリヌスと、保存されていた食料が至る所
に散らばっていた。
「ど、どうしてこうなったのかのぉ〜?」
「多分、積み上げられた食料の箱が、何かのはずみで
崩れたのでしょう。すぐに別の場所に食料を移さないと・・。」
「で、でもタバサ・・・。お月見はどうするの?この
量今から片付けてたら、絶対間に合わないわよ?片付
けるなら明日でもいいんじゃ・・・。」
「それは・・・できません・・。」
「ど、どうして・・・?」
タバサは黙って床のある一点を指差した。箱が崩れた
時にワインセラーにぶつかったらしく、ワインの瓶が
数本割れていた。
「アルコール成分はほかの食品の腐食を早めます。明
日まで放っておいたら、ここの食料は全部腐ってしま
うでしょう・・・。」
「そんな・・・。」
「そ、それはこまるのぉ〜。」
「・・・とにかく、今は片付けるしかありません。」
「わ、私も手伝うわ。」
「わしも手伝うからのぉ〜。」
ビアンカは片付けを手伝いながら、タバサの頬を涙が
伝ったのを見たような気がした・・。
・
・
・
結局、全てを片付け終えた時には十時を過ぎていた。
もはや間に合う間に合わないの次元ではない。
「タバサ・・・あの・・・。」
「良いのです、お嬢様。ラグナ様には事情をお話しし
て、謝っておきます。」
「でも・・・。」
「では、おやすみなさい、お嬢様・・・。」
そう言って部屋に去っていこうとするタバサは、やは
りどこか悲しそうだった。
こんなことでいいのだろうか?そんな疑問がビアンカ
の中で飛び交った。疑問への結論が出る前に、ビアン
カは口を開いていた。
「行ってきなさい、タバサ。」
「・・・はい?」
「行ってきなさい。きっとラグナも待ってるわ。あいつバカだから。」
「でも、こんな時間ですし、きっともう・・・。」
「絶対待ってるわ。私がそう言うのよ?間違いないわ。」
「で、ですが・・・。」
「うっさいわね!私の言うことが聞けないって言うの
!?ぐずぐず言わずに行ってきなさい!!」
「は、はい・・・。」
それ以上返す言葉も無く、タバサは普段のメイド服の
ままでヴィヴィアージュ邸を出た。