二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 ( No.62 )
- 日時: 2008/10/26 19:48
- 名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)
(良かったね・・・タバサ・・・。)
クレメンス山の麓にて、一つに重なったシルエットを
ビアンカは見つめていた。とその時、近くの草むらで
ガサガサっと何かが動いた。
「!?・・誰!?」
「あ・・・見つかっちゃいましたか。」
「ミ、ミスト!?あんたこんなとこで何してんのよ?」
こんな夜中に草むらに隠れているなんて怪しすぎる。
「わ、わたしはちょっと夜の散歩に・・・。」
「だったら何で草むらに隠れてんのよ?」
「そ、それは・・ラグナさんがタバサさんを諦めて、
降りて来た所をお月見に誘おうと・・・。」
そっちが目的か。ビアンカはため息をついた。
・・・ん?ちょっと待てよ?なぜこいつがタバサが来
れそうになかったこと知っている??
「あ・・あんただったのね!?家の地下室無茶苦茶にしたの!!」
「へ?どうしてバレたんですか?」
「・・・あんたねえ・・。」
こいつは真性のバカだ。自白したことにすら気づいてない。
「・・まあ、どうでもいいじゃないですか?今更そんなこと。」
「よかーないわよ!住居不法侵入よ!器物損壊罪よ!」
前者はラグナは余裕でやっていることである。そもそ
も何故世間知らずのお嬢様がそんなこと知ってるんだか。
「うるさいわよナレーター!」
すみません・・・。
「でも、ここまで裏目に出るとかえって気持ちいいで
す。ラグナさんとタバサさんの愛は本物なんですね・・。」
(ラグナとタバサの愛・・・か・・・。)
本物であったからこそ、二人は結ばれた。本物だと分
かっていたからこそ、ビアンカはタバサの背中を押し
た。ビアンカにも、それは十分わかっていた。
「私は諦めませんよ・・・ラグナさん・・・。」
・・・なんて女だ。この期に及んでまだ諦めないつも
りか。そんなことを考えていると、
「じゃあ、お休みなさい、ビアンカさん。」
そういうとミストはどこかに去って行った。
ビアンカは改めてクレメンス山頂上を見上げた。ビア
ンカの頬に、一筋の涙がこぼれた。
(幸せになるのよ・・・タバサ・・・。)