二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 ( No.69 )
- 日時: 2008/10/28 23:35
- 名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)
アナザーストーリー〜フィル編〜
もうどのくらい逃げているだろう?追手は撒いたはず
だ。とはいえ、どこに逃げているのかさっぱり分から
ない。もう三日は寝ていないし、飲まず食わずで逃げ
ている。まずい、目が霞んできた・・・。ここで倒れ
るわけには・・・。
不意に石にけっつまずいて、前のめりに転倒した。
「い、いててて・・・。」
顔をさすりながら立ち上がり、辺りを見渡した。森の
中を彷徨っていたはずだが、いつの間にか外に出てい
たらしい。森を出たということは、国境はもう抜けた
はずだ。もう少し歩けば人が住んでいる所があるかも
しれない。そう思って歩き出そうとしたが、ものの数
歩も歩かないうちに、今度は世界が回りだした。
「ぐぅっ・・・も、もう・・・ダメ・・。」
空腹と渇きに限界がきて、その場に倒れこんだ。
「あのぅ・・・大丈夫ですか・・・?」
ふと目を開けて顔を上げると、栗色の髪をした自分と
同じくらいの年の少女がこっちを見つめていた。
「は、はい・・・でももう三日は・・・飲まず食わずで・・・。」
「た、大変!水だけなら、私の水筒があるんですけど・・。」
「す、すみません・・・。」
差し出された水筒の水を一気に飲んだ。少し生き返り、
改めてその少女を見た。よく見ると、結構可愛い。
「助かりました・・・。僕、アレクって言います。」
「あ・・・私、フィルっていいます。」
「初めまして・・。あの、この辺りに人が住んでる所
ってあります?」
「私の住んでるカルディアの町なら、この近くですけど・・・。」
良かった、町があるんだ。そこに逃げ込めたら、奴ら
から逃れることができるだろう・・・。
そう考えてた時、突然蹄の音が聞こえてきた。
(しまった、追いつかれたか!?)
そのうちに音の正体が見えてきた。鋭い角に、力強い
巨体、バッファモーだった。
(そ、そんな!?なんでこんな所にモンスターが?く
っ・・・ここまで来て・・・。とにかく戦わなくては・・・)
アレクは懐から剣を抜いた。
「フィルさん!危ないから下がってて下さい!」
「え?でもそのモンスターは・・・。」
いいから下がってて下さい!とアレクは言おうとしたが___