二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋 ( No.74 )
- 日時: 2008/10/29 21:54
- 名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)
「あのバッファモー・・・ラグナさんの・・・」
「・・・え?」
そうこうしてるうちに、バッファモーが近くまで走っ
てきた。遠くからでは見えなかった存在も見えてきた。
フィルとアレクの近くで、バッファモーは急停止した。
「フィルさん?こんな所で何を・・・そちらの方は?」
「あ、やっぱりラグナさん・・・。」
ラグナは上から飛び降り、地面に着地してアレクを見
つめた。 なんなんだ、この男は。モンスターの上に
乗って現れた。見かけは優男だが、その優男にモンス
ターは従順そうに身を寄せている。こういうのどこか
で聞いたことがある。確かアースマイトとかいったけ・・・。
「初めまして、ラグナといいます。」
「あ・・僕、アレクっていいます。」
「ラグナさん、アレクさんもう三日はろくに食事もし
てないそうなんです・・・。」
「そ、そうなんですか?でもどうして・・・。」
「ま、まあ・・・ちょっと事情が・・・。」
言いかけた時、またしても蹄の音が響き渡った。
「くそ・・・今度こそ追いつかれたか・・・。」
「追いつかれるって、何に・・・?」
答えはすぐに出た。馬に跨った二人の男が現れた。兵
士のような身なりをしている。
「あれってもしかして・・・ゼークス軍の・・・。」
「そうです・・。ゼークス帝国の兵士です。」
「な・・どうしてゼークス帝国が・・・?」
言ってる間に、男は馬から降りて傍まで走ってきた。
「やいアレク!よくもここまで逃げてくれやがったな!」
「首に縄括りつけてでも連れ帰ってやるから覚悟しやがれ!」
アレクは少し気圧され気味だったが、負けずに言い返した。
「ぼ、僕はもうたくさんなんだ!僕は兵士だからって
好き放題やるような軍に入りたかった訳じゃない!」
「この野郎!いい子ぶりやがって!」
「メタメタのされてえのか、このクソガキ!」
「や、やめてください!アレクさんがあなたたちに何
をしたって言うんですか!?」
フィルが叫ぶと、ゼークス兵士はそちらに目を向けた。
「へえ、なかなか可愛いお嬢ちゃんじゃないの。」
「アレクよりこっち連れ帰った方が隊長も喜ぶんじゃねえのか?」
「なっ・・。」
「ふ、ふざけるな!この人には何の関係もないだろ!」
「ああん?じゃあお前一人でやるっつーのか?見習いのくせによ。」
「くっ・・・。」
どうすれば・・・とりあえず無関係の二人だけでも逃
がしたい。そう考えていると、
「・・・フィルさん、アレクさんとドッシに乗って、
ここから逃げてください。」
・・・え?何言ってんだこの人。
「む、無茶ですラグナさん!二人の兵士相手に・・。」
「僕は大丈夫です。さあ、行ってください。ドッシが
牧場まで連れ帰ってくれます。」
アレクはもう一言止めようとしたが、フィルはアレク
の腕を掴んでひっぱり、ドッシの上に乗せ、自分も跨った。
「ラグナさん・・・気をつけてくださいね・・・。」
「はい、分かってます。ドッシ、行くんだ。」
その掛声に応じて、ドッシは二人を乗せて走り去った。
「おい!待ちやがれアレク!」
「待て!ここを通るのは僕を倒してからだ。」