二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋   ( No.94 )
日時: 2008/11/03 21:18
名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)

コンコン ガチャ

「おお、あなたがアレクさんですね。私はこの町の町

長のゴドウィンです。娘から話は聞いています。歓迎しますよ。」

「あ、ありがとうございます。」

「ゼークス帝国にいらっしゃった頃は大変苦労なさっ

たようですね。この町の人たちは皆優しい方ばかりで

す。安心してお住まいになって下さい。・・・それと

寝泊まりする所についてですが、当分の間はアンさん

の宿屋に泊まっていてもらえますかな?空家らしい空

家もありませんのでな・・・。アンさんは店の手伝い

をしてくれれば、宿代は請求しないとおっしゃってい

るんですが・・・。」

「はい。それでいいです。何から何までありがとうございます。」

「いえいえ、困っている人は助けるのが当然のことで

す。娘もそう言っていました。」

「フィルさんが・・・。」

「ええ。ただ最近、どうも元気がないようで・・・本

人は明るく振る舞っているのですがね。ですがどうも

落ち込んでいるときが多くて・・・。」

「そうなんですか・・・。」

「あ、すいません。愚痴を聞かせてしまって・・。」

「いえ、いいんです。できればフィルさんの力になってあげたいし・・。」

「ありがとうございます。ではアレクさん、これから

よろしくお願いしますね。」


結局全ての家を回りきった頃には、もう日が暮れかけていた。

アレクは疲れた足取りで宿屋に向かった。もう挨拶は

済ませてあったが、ここが当分の間は自分の家になる

んだなあと改めて実感した。宿屋のドアを開ける。

「あ、いらっしゃい、アレク。今日からよろしくね。」

「はい、今日からお世話になります。」

「今日は疲れてるだろうから、働くのは明日からでい

いよ。分かんないことがあったらなんでも聞きな。」

言われて、そういえば、と気になっていたことを聞いてみた。

「あの、タバサさんって・・・。」

「え?タバサちゃんがどうかしたのかい?」

「いえ・・・誰と婚約してらっしゃるんですか?」

アンは何がおかしいのか、笑いながら答えた。

「あははは、まあ、あたしから聞くより見てみた方が

いいんじゃないかな?明日祝日だから、仕事の合間に

遺跡の湖に行ってごらん。きっと誰だか分かるよ。」

祝日の遺跡の湖??確かこの町の西の方にあったが、

そんな所でいったい何を・・?気になったが、もう一

つ聞いてみた。

「あの・・フィルさんって・・・。」

「ん?今度はフィルちゃんかい?」

「あ・・いえ・・なんでもないです・・・。」

「あ、あんたもしかして・・・。」

「ち、違います!そそ、そういうことじゃなくて・・。」

「あはははっ、初々しいねぇ。若い頃を思い出すよ。」

「・・・・・」

「ま、それはさておき、フィルちゃんを落とすのは難しいと思うよ?」

「・・・え?どうしてですか?」

「ふふっ。まあ、明日遺跡の所に見に行ってみれば、

答えは全部そこにあるよ。・・・じゃあ、明日から働

いてもらうよ。お休み、アレク。」