二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: モンスターハンター・バロル  45話更新 ( No.102 )
日時: 2010/06/13 20:59
名前: アビス (ID: 4K4kypxE)
参照: http://syousetu.gaym.jp/monster_hunter/patio.cgi?

46話
   それぞれの想い、決戦に向けて・・・




「サラ・・こんなところで何やってんだ?」

スタークが休憩がてらサラに歩みより、近くの岩に腰を下ろす。
サラも遠慮がちにスタークの横に座る。

「ん、別に、スタークの鍛錬を眺めていただけだよ。
・・は〜あ、最後の最後で見つかっちゃうなんて」

サラはそう言ってため息をつく。

「お前、もしかして6日間ずっと見てたのか?」

「そうだよ」

サラがさも当然のように答える。

「なんでそんな意味分かんねえことしてんだよお前・・・」

スタークが少し呆れ気味で言うとサラは顔を曇らせる。
既に真夜中なためスタークには見えない。サラにとってはそれは幸いなことだった。
今の自分の顔はたぶんかなり暗い顔をしているはずだから。

「・・・別になんとなくだよ。それよりさ、スタークってこの戦いが終わったらどうするの?」

「詳しい事は考えてねえが、とりあえずもっと世界を見て周ろうかって思ってるぜ。
いろんなところ周って、未知なるモンスターと戦えればいいななんて思ってるがな」

サラから見てもスタークの表情は窺えないがそれでいいと思った。
たぶん今スタークの顔を見たら、自分は言わずにはいられないから。
6日前から視る同じ夢。おそらく予知眼の力。起こりうる事実。

自分たちがガルドロスと戦う夢。そこで起きる出来事。スタークが・・・

「お前はどうなんだ、サラ」

スタークの言葉でサラは幻想から現実に引き戻される。

「え、何が?」

まだ頭が真っ白で思わずそんな事を言ってしまう。何のことかなんてすぐ分かるのに。
スタークは、はぁ!?と声をあげた後

「お前がこの戦いが終わったらどうすんだってことだよ。おい、大丈夫か!?」

「わ・・分かってるよ!ちょっと突拍子に口から出ただけ!!」

サラは自分で思った以上に大きい声でスタークに怒鳴ってしまった。
それでもスタークはうるせえって小さく呟いただけだった。サラは少し考える素振り見せた後

「そうだね・・・私が元々一緒に旅をしようと思ったのは、父さんと母さんが見てきた世界が
見たいからハンターになったからね。私ももっといろんな世界を見たいかな。
父さんと母さんが見てきた世界、見るはずだった世界」

「お前も旅を続けようと思ってんのか・・・」

スタークは小さく呟く。その先に何かを言葉を繋ごうかどうか迷っている感じで語尾を濁らせる。
サラも何かを言おうと口を開くが言葉に出来ない。若干の沈黙があたりに広がる。

「あ・・あのさ、スターク・・・」

サラが耳を真っ赤にして口を開く。例え叶わない願いだとしても言っておきたい言葉

「その・・この戦いが終わっても一緒に・・・んん!!」

もごもごと言葉を発していたサラだったが、突然言葉が話せなくなった。
自分の口が上手く動かない。何が起きたのか分からなかった。でも、それがなぜか嬉しくて堪らなかった。
サラの頭から余計な考えがすっと抜けて真っ白な感情が膨張する。
口が自由に動かせるようになった時には、すでにスタークは岩から降り立っていた。

「じゃあな、俺はまだ鍛錬するがお前はどうする?」

「私も・・・まだ見てく」

まだぼうっとする頭でサラは呟いた。
さっきの突然の言葉の不自由の原因が自分が言おうとしていた事を理解した、
スタークによる強引な承諾だということに気付くのに数分かかった。



「隣り・・いい?」

ミルナのかしこまった態度にソニックは戸惑いつつも、頷いた。
ミルナが隣に腰を降ろす。

「話って何だ?ミルナ」

ソニックがそう言うと、ミルナはああ、うんと頷いて黙り込んでしまった。
とりあえずソニックは次にミルナが話すまで見守ろうと思ったが、ミルナはすぐに口を開いた。

「話っていうのは、ガルドロスの事なんだけど・・・ソニック、大丈夫なの?」

「んん?ああ、大丈夫だよ。もう怪我だってすっかり・・・」

「そうじゃなくて!・・ソニック、もしかして自分で気づいてない?」

ミルナの心配そうな顔で言うが、ソニックには何のことだかさっぱりわからない。
そんな考えが顔に出たのか、ミルナは一層悲しげな表情を見せる。

「・・・ソニックの中にあるっていう憎悪の根源の欠片。あれとガルドロスが共鳴しているようなの。
僅かだけど、以前みたいにソニックの体が黒いオーラで覆われて・・・
このまま、またガルドロスに近づいたらソニック、前見たいに変わっちゃいそうで怖いの」

ソニックは黙り込んでしまった。自分でもガルドロスとそれが何か関係があるかもしれないとは
ラオの腹の中の出来事で思っていた。ガルドロスも憎悪の根源と何か深い関係があるのかもしれない。
いや、もしかしたらあれこそが、憎悪の根源そのものかもしれない。

「私はソニックの事が好き」

ミルナが突然告白した。あまりに突然すぎてソニックはそれが他人事のように聞こえた。

「私は今のソニックが好き。死んでほしくも、変わってほしくもない。
今目の前にいるソニックが好きなの。だから・・・」

そこまで、言うとミルナは立ち上がり出口に向かって歩き出した。
そして出口付近で振り返ると

「だから、私は今度の戦いで命を懸ける。ソニックも私自身も死なせないために。
それが私が伝えたかった事」

ミルナは満面の笑顔でそう言うと、ソニックに背を向けて立ち去ろうとする。

「ミルナ!」

ソニックの呼びかけで振り向く。ソニックの口元が動く。動きが止まった後、ソニックは僅かに微笑んだ。
その言葉を聞いてミルナは顔を赤らめて、再度笑顔で頷くと部屋を出ていった。



〜次の日〜

長老から最高の物が出来上がったと聞いて4人は長老の元に向かった。
向かうと長老は早く来ないかと待ち遠しそうに立っていて、その近くには
クルトが優雅に立って待っていた。

「おお!やっときよったかお主ら。さあ、これがガルドロスに対抗できる唯一の装具じゃ!」