二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: モンスターハンター・バロル  49話更新 ( No.114 )
日時: 2010/07/25 20:47
名前: アビス (ID: 4K4kypxE)

50話
   光明対漆黒





「・・・・・!!!」

ソニックが目を開け勢いよく起き上がる。

「ソニック!!目覚めたか」

「・・・ここは?」

辺りを見渡すとそこは以前と同じ場所だった。ただ周りは明るく、
ガルドロスはさらに濃い闇に覆われていた。
この前よりも一回りほど小さくなっている体は動きやすさのためだろうか。

隣りで苦しそうに喘いでいるミルナを見て、ソニックは自分に付いている
二つの指輪の一つをミルナに付ける。

「はぁ、はぁ。・・・ソニック。良かった、戻ってきて」

「ああ、本当に助かった。ありがとう」

ソニックは心の底からそう言う。そして手を差し出しミルナを立たせると、ガルドロスを睨みつけた。

「あれは、あいつの精神攻撃だったのか・・・」

「ええ、相手がして最も効果的な事を強制的にやらせて精神を蝕む。
私たちはすぐに目覚めたんだけど。ソニック、竜神の加護を受けてないからかな?」

「さあな、とりあえず相手さん。もう限界のようだぜ」

ソニックがそう言うとガルドロスはその通りと言わんばかりに
練りこんだブレスを吐いてくる。以前と比べブレスの密度が大きく違う。

「じゃあ、試してみるか。聖属性の力」

ソニックは大剣を取りだすと、大きく構える。大剣はオーラに包まれていった。
そして、ブレスがソニックに当たる直前にソニックは大剣を振り下ろす。
ブレスはソニックの大剣で一度止まった後、浄化されるように消えていき飛散した。

「大した力だな。これならガルドロスにも勝てる。・・・行くぞ!!」

4人がガルドロスに向かって走り出した。ガルドロスもそれに合わせ、空に飛ぶ。
そして、4人の上空にくると、無数のブレス攻撃を仕掛けてきた。

サラは銃口を空に向けて撃つ。ミルナも矢を放つ。今のミルナの武器は完全に弓になっている。
以前まではどうしても変形させなければならなかったため、武器に綻びがあった。
だが今のミルナの武器にはそれがない。完全な弓の力を最大限に発揮できる。

落ちてくるブレスを聖属性の力で消し去っていく。だが、二人の攻撃も届かない。

「ブンブン飛んでんじゃねえよ」

スタークがゲージを練り上げた4本の刀を振う。

「飛んでねえで降りてこい!気刃乱舞・・・無刀夜神」

スタークが上空のガルドロスに向かって剣を振り上げる。すると、何かがブレスを
消し去りながらガルドロスに飛んでいく。

—ギャ・・ギュワアアァァァ!!—

「す・・すげえ・・・・。剣圧でガルドロスを打ち落とした・・・」

ソニックが目を丸くして呟く。だが、ソニックもすぐに頭を切り替えて、落ちたガルドロスに向かっていく。

「溜め切り・・・紅刃双殺!!!」

—バキン!!!—

この前とは逆。今度はガルドロスの体が砕ける。だがガルドロスは悲鳴を上げたと思ったら、
その背から何かが飛び出した。現れたのは先ほどよりもさらに小さくなった姿。

「脱皮?」

ソニックの前にあるのはすでに亡骸のように動かなくなっていた。
そして、新たなガルドロスがソニックを襲う。

「ぐお!!」

その衝撃に吹き飛ばされるソニック。ガルドロスは追い打ちをかけようとするが、
サラの銃弾とミルナの弓矢が襲う。

「おい、へばってんなよソニック!」

「わかってるよ、スターク。・・・スターク!!後ろだ!!!」

「ちっ!!」

ソニックの声に反応し、後ろを向くとガルドロスが超スピードで迫っていた。
腕が長く、指先には鋭く長い爪が生えている。まるで昆虫のような姿だ。

ガルドロスはその爪でスタークの命を狩り取ろうと伸ばす。すれを何とかいなして反撃する。
だが刃はガルドロスの外殻を滑り、通らない。

「硬えな」

「スターク!退いて!!」

サラが叫び、リボルバーに貫通弾LV3を装填し速射する。それをガルドロスは爪で全て叩き切った。

「外殻に隙間・・・出来てるよ」

ミルナが3本矢を放つ。それはガルドロスの外殻の関節部分、肉質が柔らかい部分に刺さる。
ガルドロスはそれに頭に来たのか、バインドボイスを放つ。

「痛!!!頭が・・・割れる」

それで一瞬隙が生じた。ガルドロスは4人にそれぞれ攻撃を加える。攻撃を受けた鎧はひびが入った。

「竜人族の人たちに作ってもらった鎧が・・・!!」

「さすが、一発の重みが違うな」

頭を振り意識をしっかりさせる。ガルドロスはサラに向かっていっていた。

「3発の内の一つ。・・・・溶炎弾!!」

サラが特殊な弾頭の弾を撃つ。それがガルドロスに命中すると、そこの外殻が溶けだした。
竜人族の人に貰った弾丸の一つだ。だが、それを気にする様子もなく突っ込んでくる。
予想外な事に対処が一瞬遅れたサラにガルドロスが必殺の爪を振り下ろす。

だがそこにスタークが割り込んできて、自分の刀でガルドロスの爪を防ぐ。
だが、長くは持たない。僅かに稼げた時間でスタークはサラと一種にその場を回避する。

「あ・・ありがとう、スターク」

「だったら、次からは気をつけろ」

スタークはそう言ってまた、ガルドロスに向かって行った。

(今のタイミングじゃなかったんだ。じゃあ、また私はスタークの足手纏いに・・・?)

予知のことは気になるが今はそれを頭に置いている余裕はない。
サラは新たな弾を装填すると駆け出した。