二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: モンスターハンター・バロル  52話更新 ( No.127 )
日時: 2010/08/31 16:13
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

53話
   金色の聖剣  




「ソニック!!」

「つっ!!」

下手に抵抗すると左腕が食い千切られてしまうので動けないソニック。

—ふん。体を捻って丸飲みされるのは防いだか。だが・・・—

ガルドロスが顎に力を入れる。

「がああぁぁぁぁぁぁ!!!!!・・・この!!!」

—・・・・!!!—

ソニックは左腕の激痛に耐えながらも、左手に掴んでいた大剣をガルドロスの口内で振り回した。
予想外な攻撃に顎の力を緩めたガルドロスの隙を付いて抜け出す。

「ソニック大丈夫!!?」

「まぁ、なんとか・・・・。けど・・・」

左手に持つ大剣は血でべっとりで使え物になりそうになかった。
それでもそれを構えながらソニックは言った。

「とりあえず注意をこっちに向けて、スタークたちから離れよう」

—小賢しい奴らだ。まずはそこの死に損ない二匹を片づけるか—

ガルドロスはそう言うと、二人に向かってブレスを放った。

「言ってるそばから!!!」

ソニックがスタークたちの前に立つと、ブレスを切り刻んでいく。

「・・・・・つっ!!」

左上空からきたブレスを切ろうと左腕を動かした時、激痛が走り腕が止まってしまう。
ブレスはすぐ間近まで迫っている。

「気刃乱舞!!」

間一髪スタークがブレスを切り刻んだ。だが、すぐにスタークは倒れてしまう。

「ばっ・・!!スターク、無茶すんな・・・」

「馬鹿はどっちだ、大馬鹿。・・・これ持ってけ」

そう言って渡されたのは二つの指輪だった。

「とりあえず・・それ・・・持って・・・、とっととガルドロスを倒して来い」

「・・・ああ!!分かった!!」

指輪を握りしめるとガルドロスに向き直った。

「いくぜ、聖属性の力・・・3倍だ!!」

指輪を右手に3つはめるとソニックは走り出した。

「ミルナ!!さっきみたいに矢で足場を作ってくれ!!」

「分かった!!!」

ミルナは精一杯の力で弓を引き絞り、放つ。矢はガルドロスに縦一直線に刺さる。
だがガルドロスはそれを気にする様子もなく、ソニックだけを見ている。
ガルドロスにとって矢が刺さった事すら気づいていないかもしれない。

—死ね!!—

ガルドロスは暗黒の波動をソニックの方面一点に絞って放った。ソニックはかわそうと思ったが、
避ければ後ろの二人に当たる。そう思って暗黒の波動に立ち向かう。
ソニックが渾身の力で暗黒の波動を切り裂く。波動はソニックを避けるように左右に分かれた。

暗黒の波動が消えるとまたソニックは走り出した。そしてガルドロスの体を上り、
またガルドロスの真上に出ると、大剣を振り下ろす。

ガルドロスはそれをまた折れた角で防ぐが今度は違った。
ソニックの力に圧され折れた角が更にひび割れていく。

—小癪な!!—

ガルドロスはなんとかソニックは弾き飛ばす。それと同時にガルドロスも空に飛んだ。
ソニックは空中でなんとか態勢を整えると、向かってくるガルドロスを討とうと構えた。
すると、視界の端で光る何かが飛んできた。それを掴んで見ると指輪だった。

見ると、ミルナがこっちを見ながら何か言っている。遠すぎるせいか、
それともガルドロスの圧力で耳が働いていないのか、何を言っているか分からない。

だが、ソニックはミルナの指輪をはめ、大剣を頭上に掲げた。
大剣は4つのオーラが混ざり合い黄金色に輝いている。
金色の大剣となった右手の武器をソニックは、ガルドロスへと振り下ろした。

——————————

その最後の瞬間を一人見つめるミルナ。

(さっきの言葉、ソニックに届いたのかな?)

そんな事を思いながらさっきの言葉を思い出す。

『昨日の夜に言った事、忘れないでよね』

そう。昨日の晩、ソニックがミルナが去ろうとした時に行った台詞。

『この戦いが終わっても俺はずっとミルナと一緒にいたい。一緒に狩りに出て、一緒に笑って、
そして一生お前の傍にいたい。だから絶対、明日は勝つぞ』

「・・・ソニック」

天に祈りように手を握りしめるミルナ。頭上ではまるで、天使でも舞い降りてきたかのような
眩い光が天を覆っていた。

——————————

ガルドロスは振り下ろした大剣ごとソニックを喰らおうと大きく口を開けた。

「・・・・!!」

ソニックは体を翻すと大剣を横に振って体を横に流した。
それが幸をそうし喰われるのは防いだ。
だが、相手は空を飛べる。またこちらに向かってやってきた。

「そんなに俺を喰いてえようだな」

下からやってくるガルドロスにそう吐き捨てる。

「ならくれてやるよ!!腕一本ぐらいならな」

向かって来るガルドロスの口に左腕を入れる。
相手が噛み千切ろうとする瞬間に血塗れの大剣を腕と歯の間に挟みこむ。

—ふん。そんなことしてもその大剣ごとその腕を喰ってやるわ—

「言っただろう?腕の一本ぐらいくれてやるっ・・・て!!!!」

左腕を喰われている状態で体を思いっきり捻じる。
左腕が嫌な音を立てながらソニックの体から離れる。

—な!!?本当に自分の腕を・・・・!!!—

ガルドロスが驚いた時にすでに金色の大剣はガルドロスの目の前まできていた。

「これで・・・終りだぁぁぁ!!!」

金色の大剣がガルドロスの口に喰い込む。そしてそのまま顔、首、胸、腹、脚へと大剣が
ガルドロスの体を切り裂いていく。

—があああああぁぁぁぁぁ!!!!—

ガルドロスの体が真っ二つに裂かれ、ガルドロスが消滅した。

—パキン!!—

それと同時にソニックの金色の大剣が折れ、4つの指輪にはめ込まれていた勾玉も砕けた。