二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.42 )
- 日時: 2010/02/15 18:44
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
16話
絶対絶命
深紅のモンスターはこちらを睨んで、唸っている。
今にも、飛び掛ってきそうな、感じだ。
「ありゃ、もう完全に別な生き物だな」
スタークが太刀を構えながらいった。
「そうね。強さはおそらくグラビモスより上でしょうしね」
ミルナがいった。
「強さなんて関係ねえよ。わかってるのは、今こいつをここで倒しておかないと、
俺たちがあいつの餌になるだけってこと」
「たしかにな」
ソニックの言葉にスタークが答えた。
—グゥオオオオオン!!—
「おっと。敵さんはもう待ちきれないようだな」
スタークの言葉の通り、目の前にいる敵は姿勢を低くして、
こちらに突進しようとしていた。
そして、前かがみの姿勢から突進に変わった瞬間、3人は驚愕した。
いくらグラビモスの巨体から一回り小さくなったといえど、
それでも、まだかなりの大きさがある。
それなのに、そのスピードは格段に上がっていたのだ。
「うわあ!」
「きゃあ!」
「ぐっ!」
何とか3人とも直撃はさけられたが、吹っ飛んでしまった。
「くっそ!はっ」
いち早く起きたスタークが敵の状況を見る。
敵は、突進の勢いで壁に頭がめり込んで抜け出せないでいた。
スタークはチャンスとばかりに、敵に突っ込む。
しかし、頭が壁にあるのだが、尻尾はスタークのほうにあった。
スタークが尻尾の届く範囲に入ると、後ろに目でもあるのか、
すぐさま、刃のような尻尾をスターク目掛けて攻撃してきた。
スタークはそれを、難なくかわした。だが、攻撃された右側に集中したせいで、
すぐ左に爆弾岩があるのに、わずかに遅れた。
敵の攻撃でこれが爆発すれば、いくらスタークでも無事ではすまない。
(くそ!!)
覚悟を決めたスタークだったが、
—スパッ—
「らぁぁ!」
敵の攻撃が中央にいっている間に、ソニックは空いた右足に攻撃を仕掛けていた。
「魔紅閃!」
敵の足元に赤い線が走る。が、しかし、敵の足には傷はおろか、ヒビ一つはいっていなかった。
すぐさま距離をとったソニックは、同じく引いていたスタークの横に並ぶ。
「奴の体、お前の大剣でも傷もつかねえか。体を覆う甲殻は鉄異常の硬さ。
それに加えて尾の切れ味は、あの通りだしな」
ソニックがスタークが見るほうを見るとそこには、真っ二つになった爆弾岩があった。
「あれは、あいつが?」
ソニックが尋ねる。
「ああ、あんなもん喰らったら、一発で鎧ごと体が二つにわかれるな」
「弓も効きそうにないね。剣もだめ。弓もだめ。有効な手立てがないね。
どうすんの?」
遠くで弓を構えていたミルナがやって来て、いった。
—ボコオオン!—
「チィ!考える時間も、くれねえってか!?」
壁からでてきた敵にむかって、スタークが吐きつけた。
すると、敵が今度は、息を大きく吸い始めた。
そして、吐き出した時に、出てきたものは、リオレウスのような、ブレスだった。
3人はそれを、何とかかわした。みると、先ほどまで自分たちがいたところが
マグマのような、ドロドロとした地面に変わっていた。
「どうやら、あの攻撃はかすっても一発ケーオーみたいだな」
ソニックが苦笑しながらいった。
「こんな、モンスターが存在するなんて」
ミルナが辛そうにいう。
敵は、先ほどと同じように息を吸い始めた。
そして、ブレス攻撃をした。しかし、その攻撃の方向は
ソニックたちではなく、上のほうだった。
ブレスは天井に当たり、それによって溶けた岩石と、飛び散ったブレスの被弾が、
3人を襲った。
「うわ!まるで、小さな隕石みてえだ!」
ソニックが避けながらいう。
「言うなれば、メテオ・ブレスってか。笑えねぇ・・」
「あっつ!」
ミルナの悲痛な声が聞こえた。
ミルナの左肩をみると、鎧が溶け、皮膚が焼けていた。
「ミルナ!」
ソニックが叫ぶ。しかし、ミルナはつらそうな顔で、笑いながら
「大丈夫・・ちょっとかすっただけだから」
「ソニック!!危ねえ!!前をみろ!!!」
スタークが根限りに叫ぶ。
ソニックが前を見ると、目の前には敵の姿があった。
すでに敵は体を回転させ、鋭い尻尾で獲物を引き裂こうとしていた。
「「ソニック!!!」」
スタークと、ミルナが叫ぶがもう無駄だった。
敵の攻撃はもう、ソニックと目と鼻の先ほどまでに迫っていた。
それにもかかわらず、ソニックはあまりの出来事に、大剣でガードすることさえも
しないで、攻撃をくらうのを待っていただけだから。