二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: モンスターハンター・バロル ( No.7 )
日時: 2010/01/18 18:20
名前: アビス (ID: 7.60N42J)

36話
   菌染龍・ウィルテリアス






拠点に着いたソニックたちは場所を降りた。

「静かだな」

ソニックは降りてすぐに言った。生き物の気配がまったくしない。

「菌はすでに危険なレベルに舞っています。皆さん、
決してマスクをはずさぬように」

クルトが忠告する。4人はソルトをその場に残し
ウィルテリアスの元に向かった。

「だが、こんなにも被害の出るモンスターがなんで今まで発見されなかったんだ?」

向かう途中ソニックがいった。

「やっぱしガルドロスの影響じゃないかしら」

「早くなんとかしないいと、本当に世界が死ぬな」

そんな話をしている間に4人は大きく広けた場所に出た。

「ここでしょうか?」

サラがつぶやく。モンスターの姿はまるで見えない。
だがソニックにはこの砂漠に何かいることを感じた。
クルトも何かを感じたらしい

「おそらく地面に潜っているのでしょうね」

そういってまた歩き出す。そして砂漠の中心の辺りに来たとき
砂がわずかにサラサラと動いた。4人は一斉にその場から離れた。

すると、次の瞬間先ほどまでソニックたちが立っていた所から大きな口が出てきた。
そして次第にその体が出てきた。

大きさはティガレックスより一回りほど大きい、トカゲのような姿。
硬そうな背びれ、長く先端が丸まった尻尾。そして毒々しい体の色。
こいつがウィルテリアス・・・

ウィルテリアスはのそのそと4人の姿を見ると、大きく息を吸い込んだ。
そして、一度ぴたりと止まると一気に息を吐いた。

「菌のブレス!?こんなの見えないし避けようが・・・」

ソニックの言葉を遮るようにクルトが前に出た。
そして笛を口に添えると

「円舞曲(ワルツ)」

すると相手のブレスはソニックたちを避けるように過ぎていった。

「さすがにマスクをしていても直撃をくらっては厳しいでしょうから」

「いまのは?」

ミルナがたずねる

「ああ、今のはワルツ。自分を中心に球状に音の振動で壁を作る技です。
普通の攻撃では菌相手には効かないですしね」

と、にこっと答える。ウィルテリアスは効かないことを分かったのか
ずんずんとこちらに向かってくる。スピードは大してない。

4人は散り散りになって攻めていった。最初にたどりウィルの元に着いた
のはソニックだった。大剣を二本持ち迫る。

それをウィルは長い舌をだしてソニックを捕らえようとする。
それをかわし、ウィルの頭に一撃を入れる。だが、

—ビキン!—

変な音がしたと思い見ると、大剣の先端が折れていた、折れた付近を見ると
わずかに腐敗していた。
ミルナは連続で矢を放つがそれもウィルに当たった瞬間に朽ちてしまった。

「奴の表面は物質を腐敗させる菌がいんのかよ。ありかよそんなもん」

ソニックが愚痴をこぼしている間にウィルはソニックは向かって手を振りかざしていた。
その手には先ほどまでには見られなかった爪が生えている。

おそらくあの爪にも何かしらの菌が感染しているに違いない。
すぐにその場を離れて攻撃をかわす。

クルトはその隙にウィルの後ろに回る。

「鎮魂歌(レクイエム)」

クルトが笛を吹くとそこからとてつもない何かがウィルに向かって
砂を蹴散らしながら進む。攻撃は見事に命中したのだが、ウィルはケロリとしている。
クルトはすぐさま距離をとる。

—ブン!!—

距離をとるクルトに尻尾が襲う。クルトは顔を引くが、先端をかすめた。

「クルト!大丈夫か?」

ソニックが駆け寄りクルトの顔を覗き込む。かすめた所は特に何もなっていなかった。
どうやら尾の先端には菌は感染していないようだ。

ソニックが安堵なため息をもらす。クルトはしばらく傷口を触れていたがすぐに

「厄介ですね。表面は硬くこちらの攻撃が通じない上に物理攻撃にたいして腐敗させる菌。
向こうは致死性の攻撃をしてくる」

クルトがいっている間にまたウィルは口を膨らませた。
それを見てサラとミルナがクルトの傍に寄る。
クルトもいつでも吹けるように準備をする。

だが今回は違った。吐き出したのはブレスではなく、液体だった。
液体が4人のいるところに向かう。

4人はその場を離れる。液体はジューと蒸発とは違う嫌な音を立てる。
その時跳ねた液体がミルナの足に触れてしまった。

「う・・・」

ミルナはその場に倒れこむ。

「ミルナさん!」

サラが声を上げて駆け寄る。だがそれが一瞬の油断を生んだ。
また液体が近づいてきていることに遅れる。避けられない・・・

—バシャ—

液体が地面に落ちる。そこにサラの姿はいない。

「ったく、あぶねぇな」

離れたところからソニックの声が聞こえる。
その手には小さな体のサラを抱えている。

「あ・・ありがとうございます」

サラが地面に足がつくとお礼をいう。
その頭をぐしゃっとさせると

「お礼はいらない。そんなことより早くミルナを何とかしてねえと」

「はい。でもどうしたら・・・」

確かに。触れることはできないから攻撃することはできない。
というより、奴を倒せたとしてもミルナが助かるとは思えない。

「助けられるかもしれませんよ」

そう言ったのはクルトだった。その顔は自信と不安に満ちていた。