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第六十七訓【上司を探すのってメンドクサイ】

「土方さん。近藤さんはいつから居ないんでしょうか…？」

「確か、二時あたりから屯所にはいなかったな。」

現在、副長土方と一番補佐櫻は市中へと来ていた。

「何か、用事があって出かけたんじゃないのでしょうか…?」

「うんやぁ、それはねぇ。近藤さんの事だぁ俺に頼んでから屯所を開けるだろう。」

もっともな答えを返す土方。

「そうですよね…。この辺りには居ないみたいですね。」

辺りを見渡し櫻は、土方に向き直る。

「そうみてぇだな。…ホント、何処行ったんだ？」

真新しい煙草をくわえながら土方も辺りを見渡す。

「…裏通りの方でも行くか…。ヘドロ橋の方に行くぞ櫻。」

「分かりました。」

そう言って、二人はヘドロ橋の方へと向かった。

ガヤガヤ。

そのヘドロ橋では、何だか大きな人だかりができていた。

「ん？事件か…?櫻ちょっと行くぞ。」

「はい、っと…ここがヘドロ橋…ですね。」

土方は人込みをかき分け一番前の男に声をかける。

「何か遭ったのか？」

「女を取り合って喧嘩だとよ。今時、そんな奴もいるんだねぇ。」

「そんな、馬鹿な奴もいるんだな…ぁ———。」

「土方さん!!何かありましたか。」

土方の後から、人込みをかき分けて櫻もやって来た。

「？。土方さん？。」

櫻は土方が見ている、方に目を向ける。

「あ———。土方さん…?アレって…。」

「あ、あぁ…。アレは———。」

「局長ぅぅぅううう!!」

その二人の声は、はもりまわりに響いた。