二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 真選組★波乱日記★ ( No.198 )
日時: 2010/06/13 14:17
名前: 月芽麻 (ID: HpE/sQXo)

第六十九訓【噂の速度は計り知れない】

「副長ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

朝っぱらから屯所には、五月蠅い声が響いた。

「局長が女に振られたうえ、女を賭けた決闘で、汚い手使われ負けたってホントかァァ!!」

何故かしら、皆は血気盛んだった。

「女に振られるのはいつもの事だが。」

「喧嘩で負けたってのは信じられねーよ!!」

「銀髪の侍ってのは、何者なんだよ!!」

各部隊長は声を張り上げる。

「会議中にやかましいんだよ。あの、近藤さんが負けるはずがねえだろ。」

土方は、いつもの煙草を吸いながら言う。

「たくっ、誰だ?くだらねえ噂垂れ流してんのは?」

煙草から口を離し、溜息をつく土方。

「沖田隊長と友里亜補佐が、スピーカーでふれ回ってましたぜ!!」

隊士たちは、一斉に二人を指さす。

「俺は土方さんにききやした。」

「同じく、俺も馬鹿方さんから聞いたけど?」

その噂を振りまいた、張本人二人はドス黒い笑みを浮かべている。

「こいつ等に喋った俺が馬鹿だったか…。」

頭を抱えて大きくため息をつく土方。

「何だよ!!結局あんたが火種じゃんか!!」

「って、事は何?あの噂マジなの…?」

沖田と友里亜の、発言により隊士たちはまた騒ぎ始める。

「うるせぇぇえ!!!」

そう言って、土方は会議に使われる机をおもくそ蹴った。

「会議中の私語した奴は、切腹だ。俺が介錯してやる。山崎…お前からだ。」

とうとう、キレた土方は腰の刀を抜く。

「えええっ!!俺何にも喋って———。」

「喋ってんだろうがぁ!!現在進行形で。」

そう言って、土方は山崎の首元に剣を構える。

「土方さん、遅れました。」

襖の向こうからいつもの声が聞こえた。

「ういーす。おぉ、何時になく白熱した会議だな。」

「近藤さん。本当に大丈夫ですか?」

そこに登場したのは、頬が腫れている局長と、櫻の姿であった。

「ん?どうした。」

またしても、土方は大きくため息をついた。