二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 真選組★波乱日記★ ( No.206 )
日時: 2010/06/19 21:20
名前: 月芽麻 (ID: HpE/sQXo)

第七十二訓【刃物はプラプラ振り回すのは危険です!!】

「あのっ、沖田さん本当によかったんでしょうか…?」

「何がですかぃ??」

土方の対決を見るべく、三人は物見矢倉《近所の家の屋上》に上っている最中だった。

「土方さん…それに、銀時さんまで怪我をしたら大変じゃないですか?」

「そんな、事は気にしない。それが一番だよ?てか、どうせ。勝って帰ってくるってあのマヨラー。」

土方が居ないうちに暴言を吐きまくる友里亜。

「そうでさぁ。もし怪我しちまったら、櫻が介護してやりな。」

「ま、そう深く考えない方がいいよ。」

「…。なら、良いのですが。」

櫻は、納得したかのように少しはにかんだ。

———その頃マヨ方は。

「テロの次は、バイトか?フリーター。」

現在進行形で、フリーターに話しかけていた。

「あ?大串君??ごめん、まだバイト中だから。」

がしゃんっ。

銀…あ、フリーターの前には土方が投げた刀が転がった。

「…何の真似ですか、コノヤロー。今、バイト中って言ってんじゃないですか。」

「近藤さんの敵だ…。剣を抜け。」

「?。近藤…?あっ、あのストーカーゴリラ?」

今だ、死んだ魚のような目を泳がせるフリーター。

「お前にとっちゃぁ、ただのゴリラかもしれねえが。俺らにとっちゃぁ、近藤さんは大事な仲間なんだよ。」

土方は、キッと眼を鋭くさせると刀を振りかざした。

「のわっ!!ちょっ、危ないでしょうが!!」

?。こいつ刀も抜かねえのか…?くそっ、舐めやがって。

きんっ。

乾いた音が鳴り響く。

その直後、フリーターは足元の機材を踏み土方の足場を狂わせた。

しかしそれは、逆効果だった。

———もらった。

ぶしゅっ。

半開転の反動とともに、土方の刀はフリーターの方に突き刺さった。

「っ…。」

…何故だ。どうしてこいつは刀を抜かねぇ?…まさか、俺の事を気遣って…?いや、それはねぇな。

「おい、何で刀を抜かねぇ?」

「俺の刀はもう錆びついてんだよ。」

「っ。舐めやがって。」

そう言って、土方はフリーターにまたも斬りかかった。

そして、斬った…と思ったのもつかのまその一太刀はよけられていた。

———あっ、斬られる…。

「そんなもん、ぷらぷら振り回すんじゃないよ!!!」

ガキンっ。

「なっ。てめ、そのまま斬ればよかったじゃねえか…?何で斬らなかった。」

「斬る?何言ってんの。俺は、自分のルール守っただけだ。…親父!!ちょっと、病院いってくらぁ。」

そう言って、フリーターはその場を去った。

そして、土方はその場にねっ転がった。

「近藤さんすまねぇ。俺も負けちまったみたいだ。」

そう言って、土方は空を仰いだ。

「俺も、一本やってみたかったでさぁ。」

「俺も。てか、俺なら勝てたと思う。」

「お前らでも難しいぞ?アイツは強いからな。」

物見矢倉では、何時の間にか来た近藤さんも一緒に喋っていた。

「とにかく、怪我がなくてよかったな。櫻ちゃん。」

「そうですね。あっ、私…土方さんの所行ってきますね。」

そう言って、櫻は慌てて土方のもとへと走り出していった。

「トシも、案外心配されてんだな。」

「そうみたいでさぁ。土方さんが惚れるのも時間の問題でさぁ。」

「てか、どちらかつうと惚れないで欲しい。」

三人がそんな話をしてるとは知らず、櫻はいつもの笑顔で土方にこう言った。

「…お疲れ様でした。」

其れを聞いた土方はフッと笑い。

「おぅ…。」

と、返事を返した。