二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 真選組★波乱日記★ ( No.212 )
日時: 2010/06/26 19:19
名前: 月芽麻 (ID: .wPT1L2r)

第七十三訓【友人の誕生日って覚えてらんない】

「あの…紀新君。紀新君の誕生日っていつ何ですか?」

五月上旬の木漏れ日の中、櫻は誕生日という単語を出した。

「え?僕の誕生日ですか…?一応、九月の二十日です。」

「九月の二十日ですね…。」

そう言って、櫻は手元にあったノートにペンを走らせる。

「?。何かあったんですか?」

「ううん。皆の誕生日を祝ってみたいなって思って…。」

櫻は、メモを書き終え紀新に向き直る。

「他の人の誕生日分かるかな?沖田さんとか。」

「あっ、はい。えっと…確か沖田隊長は…。」

「七月八日。七夕の次の日だよ?」

その声は、明るい声——走姉さんの声だった。

「走姉さん。あっ、沖田さんは八日と…。」

「ちなみにうちは、3月14で…退は、2月6日だよ。」

ぺらぺらと誕生日を言っていく走姉さん。

「あ、他の土方さんとか…姫月さんは?」

「あっ、副長なら今週が誕生日ですよ?」

そう言って、顔を上げる紀新。

「えっ!其れ本当ですか?」

「そやな…。確かお子様の日やったな。姫月さんは2月14やで?」

「ひ、土方さんもう直じゃないですか!」

櫻はそう言うと、その場を素早く立った。

「櫻ちゃんどっかいくんか?」

「走姉さん。私、プレゼントを買ってきても良いでしょうか?」

「プレゼント…?あ、もしかしてパーティーであげる物の事?」

「パーティー?…た、多分そうです!!では。」

そう言って、櫻は急いで屯所廊下を走って行った。

「なんや、櫻ちゃん元気やな?」

「副長の誕生日だからじゃないですか?」

「ほぉ。なんや、櫻あのマヨネ野郎に惚れてるんか?」

ニヤニヤしながら走は問う。

「さぁ?でも、そのうち惚れるんじゃないのでしょうか?」

「…そう言えば。櫻ちゃんの誕生日っていつなんやろ?」

ギシっ。

そんな話をしていると床が軋む音がした。

「きょ、局長!!」

「あら、近藤さんどうかしたんですか?」

「紀新君、走姉さん。もうスグ櫻ちゃんの誕生日なのだが?」

またしても、誕生日という単語が出て来た。

「局長、櫻さんの誕生日知っているのですか!!」

「あぁ。5月6日の日だが…。って、走姉さん!!紀新君??」

「近藤さん!!ちょっとカイモン行ってくる!!」

「同じく、行ってまいります!!」

ドタドタと紀新と走はその場を去った。

「…何だ?…そだ、トシにも伝えてこよっと。」

そう言って、近藤さんは土方のもとへと足を運んだ。