二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 真選組★波乱日記★ ( No.217 )
日時: 2010/06/28 21:10
名前: 月芽麻 (ID: .wPT1L2r)

第七十五訓【何でも良いって言われたら選ぶのもっと大変】

「あっ、トシ!!やっぱりここにいたんだな!!」

ゴリ…局長は稽古場で練習しているトシを見つけて歩み寄る。

「どうかしたんでさぁ?近藤さんよぉ?」

「てか、その笑顔ちょっと痛いんですけど…。」

そこには、トシを含めて三人の幹部隊士がそろっていた。

「あ、総悟と友里亜ちゃんも此処にいたんだ…てか、痛いってひどくね!!」

「で、どうしたんだ?近藤さん?」

「そうだった。実はな———。」

そしてゴリ…局長は櫻の誕生日の事を話した。

「それだったら、さっさと買いに行かねえと!!」

「そうしてやってくれ。折角の誕生日だしな。」

そう言って、局長は高らかに笑った。

「て、事でトシ。面倒見てやってくれ。」

「なっ!何でおれがこいつ等の?」

「まぁまぁ。良いじゃないですかぃ。」

そう言って、沖田と友里亜はマヨ方を引っ張って稽古場から立ち去った。

「トシ達どんなプレゼント買ってくるんだろるな?」

そうしてまた、フッと笑うと局長は自室に向かった。

その頃、あの三人は———。

「そう言えば、櫻さんのプレゼントでころっと忘れてたんですけど。」

「ん?何かあったん?紀新君。」

「副長の誕生日でもあるんじゃないんですか?」

「そう言えば、明日だったね。」

そう言って、笑い流す山崎。

「副長にもプレゼントは買わなくて良いんでしょうか?」

真面目な顔で答える紀新。

「…大丈夫?明日、マヨの袋詰めあるから、其れで…。」

「ちょっ!!姉さん、どんだけ副長に愛情の籠っていない物あげようとしてるんですか!!」

「愛情籠ってるよ!!…業者の人の。」

「走姉さん!?今小さな声で、業者とか言いませんでした?」

「HAHAHA。ナニイッテルノ紀新クン??」

「姉さん。目が泳いでる。」

しかし、其れに動じず走は言動を進める。

「兎に角、今は櫻ちゃんのプレゼントや!!!」

そう言って、走は走り出しやれやれとついて行く二人であった。

———一方櫻たちというと…。

「櫻ちゃん…さっきから、マヨの絵が入った物しか見てヘント思うのは私だけかな?」

「そうでしょうか…?でも、考えてみたらそうかも知れませんね。」

この、ド天然ペアはあの茶会から三十分、ずっとマヨの絵ばかり見てきているのである。

「なんか、こう。その人に似合うものって何かないの?」

「…似合うものですか?マy…。」

「マヨネーズ以外がうれしいな♪」

流石の、杏奈でも其れ位は読めるようになってきた。

「色とか、デザインとか。花とか、そんなのは?」

「そうですね…色はどちらかと言えば黒くてほんのりピンクかな?デザインは何処か丸くて…尖っている感じでしょうか?」

櫻は、頭を悩ませつつ杏奈の質問に答える。

「花は…桔梗?…やっぱり菫…?」

「花は、そんなに考えなくても…。櫻の好きな花は?」

「私のですか?えっと…私と同じ桜ですかね?」

にこやかに言う櫻。

「それじゃぁ、その人がよく使うものは?」

「物ですか?えっと…真剣?」

「それじゃぁ、いいお店知ってるよ!!さ、行こ。」

急に、櫻の手を引っ張る杏奈。

「え?あ、待ってください。杏奈ちゃん!!」

そう言って止まってくれる訳もなく、櫻は速足で杏奈の後について行った。

———時は夕暮れ。

櫻はお店から出て来た時。その手には、綺麗に包装された何かを持っていた。

「杏奈ちゃんありがとう。とってもいいプレゼントになったよ。」

「いいよ。お礼なんて、だからその代わり今度は私の誕生日祝ってくれたら嬉しいな。」

にこやかに杏奈は言う。

「わかった。また、誕生日教えてね。」

「うん。それじゃぁ。」

そう言って、杏奈と櫻は手を振り自分の家へと向かった。