二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 真選組★波乱日記★ ( No.228 )
日時: 2010/07/10 20:57
名前: 月芽麻 (ID: SpLhUj83)

第八十訓 【照照坊主ってのはあんまり役にタタねぇ】

「櫻ちゃん、もうすぐ…明日、満月の日やなぁ。」

「そうなんですか?私知りませんでした。」

屯所の一角——台所では何時もどうりの光景が広がっている。

「あ、其れ取って。」

「はい。どうぞ。」

「ありがと。」

何時も通りのこの光景。

「いや、そうじゃなくて!!」

数秒遅れてからの走つこみ。

「へ?どうしたんですか?走姉さん。」

「いや、満月なわけよ?明日。分かる?」

「…はい。でも、満月がどうしたのですか?」

未だによく分かっていない様子の櫻。

「ぇ…櫻ちゃん。もしかして、町で今噂になっている満月の話しらへんの?」

驚きながら、走は言う。

「噂ですか…?はい、あまり聞いたことが無いですね。」

「じゃぁ、この優しすぎる走姉さんが教えてやろうじゃないの。」

そう言うと、走はえへん。と言わんばかりに胸をそらす。

「実はな、最近。天人とからの噂が流れてて…。」

そお言って、走は話し始める。

「昔の言い伝えとかいっとった話やねんけど、何やしらん。満月の日に願い事をすると月に選ばれたもんの前に一人の女の子が来るんやて。」

「満月の日に…女の子?かぐや姫ですか?」

月=かぐや姫という不思議な解釈をする櫻。

「まぁ、そんなとこやな。で、その女の子に月が三度満ちる…つまり三日間の間にその女の子を五回喜ばす事が出来たら願いがかなう言ううんや。」

「そうなんですか?…でも、明日は歌舞伎町一帯は曇りらしいですよ?」

困った顔をする櫻。

「本当か!?なら、さっさと飯作って照さん作るで!!」

「て、照さん…?其れは一体どちら様何でしょうか?」

目が点になっている櫻。

「照照坊主の事や。さ、やるでぇ!!」

「は、はい。」

そう言って、何故か明日をとても楽しみにしている走さん。

「…走姉さん。何か願い事でもあるんですか?」

「な、なな、何を言ってるんへ?う、うち。さっぱりわからんは。」

顔が妙に赤い走姉さん。

——何か聞いちゃいけない事聞いたような気がします。

そお思い、少ししょぼんとする櫻。

「私、走姉さんのために頑張ります!!」

「はい?イヤ、うちの為じゃなくて…。」

しかしそんな事走のいい分などきかず櫻は仕事に専念するのであった。

月が満ちるまで後——— 一日。