二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 真選組★波乱日記★ ( No.336 )
日時: 2010/07/30 22:05
名前: 月芽麻 (ID: H5up09UV)

第八十八訓【日が沈む時って無駄にしんみりするよね】

「走姉さん。玉子…こんな感じで良いですか?」

日も、西に沈みかけた夕焼け空の下。

走と櫻は、晩の月下祭の準備をしていた。

「中々ええやん。やっぱ、櫻ちゃんは確りしとる。」

そう言って、うんうんと頷く走。

「でも、本当に晴れてよかったですね。」

「そやなぁ。今日は綺麗な月が見えそうやな。」

空を見上げ走は微笑む。

「そう言えば…櫻ちゃん。皆に短冊配ったそうやな。」

「ほぇ?…あ、短冊ですか?」

急に短冊の事を聞かれテンパル櫻。

「なんや、皆の分書いてもらったんかいな。笹はここにはないで?」

あっ、と言わんばかりに櫻の顔が曇る。

「まぁ、飾るとこはあるし。照さんの飾ってある物干しにでも飾るか?」

ニカニカと、笑いを浮かべる走。

「そうですね。…皆さんの願い叶うといいな。」

「そやな。あ、櫻ちゃんは何か書いたんか?」

ふと、気が付いたように走が言う。

「え?まぁ、はい。一応書きましたけど…。」

そう言って、口ごもる櫻。

「何や?言われんねんやったら別にええねんで?」

「はぅ…。すみません。」

苦笑いしながら、謝る櫻。

「えぇよ。それよりうちも短冊書かして?」

「あ、はい。渡し損ねる所でした。…どうぞ。」

そう言って、走に渡したのは淡い緑色の短冊だった。

「ありがと。さて、晩までにかいとかんとな。」

「はい。お願いします。」

「それじゃぁ、晩御飯の準備に戻るとしましょうか?」

何時もの笑顔で、走は櫻に言った。

「分かりました。」

玉子を並べ終わった櫻も、いつもの表情で返事をした。

月が満ちるまで後—— 六時間。