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第二十九訓【1ダース】

「あの。走姉さん。」

やっぱり、さんの方がしっくりくるな。

「なんや？櫻ちゃん？」

私たちが今いるのは、この屯所の中の食料庫である。

「えっと・・・。」

私の目は、点になっていた。

「どうした…。あぁ。これか。」

走姉さんは、納得しているような顔だった。

「えっと…これ、マヨネーズの1ダース分ですよね？」

「え？それ以外に何か別のもんに見えるか？」

まぁ、それはそうなんですが。1ダースって。

「何で1ダース？って、顔しとるな。」

「え？あ、はい。でも何でですか？」

う〜ん。と、走姉さんは首を傾げた後に、口を開いた。

「夕御飯の時教えたるわ。驚くで…たぶん。」

「は、はぁ・・・？」

驚くって、何かやるのでしょうか？

そんなことを疑問に思いつつ夕御飯の時間になった。

「えっと、あ。山崎君！！」

私は、夕御飯を楽しく食べている山崎君を見つけた。

「ん？櫻ちゃん。どうかしたの？」

「あの…走姉さん知りませんか？」

「姉さんがどうかしたの？」

私は、走姉さんから聞いたことをそのまま言った。

「あぁ。それって…アレの事じゃない？」

山崎君の指さす方向にいたのは、ご飯を楽しく食べている土方さんだった。

「へ？マヨネーズと何の関係があるんですか？」

「食べてるものだよ…考えるだけで気分が…。」

「だ、大丈夫ですか！！」

いったい、土方さんが食べてるのって…？