二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 真選組★波乱日記★ ( No.400 )
- 日時: 2010/08/12 18:45
- 名前: 月芽麻 (ID: H5up09UV)
第九十四訓【月に兎がいるって信じてたのに…。】
さっさと仕事を終わらせて、酒が飲みたい。
そう心の中で、麗は呟いた。
「よりにもよって、如何して私と由紀が担当した方なのでしょう…。」
「それもまた、運何だと思うけど…?」
月の道を歩く二つの影——麗と由紀である。
「…ほとほとく、私は運が付いていないようですね。」
軽い溜息を吐きながら麗は肩を落とす。
「運は、何時か廻って来るものよ。捕まえるのかは貴方次第って、所かしら。」
静かに笑う、由紀。
「そうですね。取り合えず、黒髪を探しに行きますか?」
「その必要はないと思うのだけど?だって、ホラ。」
そう言って、由紀はある一点の場所を指さした。
其処に居たのは、黒髪を揺らしながら団子を作っている少女——美紅であった。
「…運が廻って来たんでしょうかね?」
「そう言う事で良いんじゃないのかしら?」
「由紀…。今日、かしら?多くないか?」
「そうかもね…。緊張の現れって事で良いと思う。」
そう言って、静かに笑うと二人は美紅の後ろに足を忍ばせた。
——その頃、餅好きの隊長…は?
「えっと、ここら辺が祭殿の下の町だから。祭下町だね…。」
そう言って、辺りをきょろきょろと見回す、我らが隊長? 初恋。
「作者さん? 何で、隊長の後ろに?つけたの?」
何となく…?それよりあそこっ!!
「わぁ、何か知らないけど手助けされたぁ。」
まぁ、そんな訳でもう一人のターゲットを見つけた初恋。
「アレは…白銀の髪だから。」
「撫子って言う奴だな。」
急に声のする方を見ると、其処には紅い華を咲かせた美涼がいた。
「美涼…何で此処に? 美﨑は?」
「何さ、ご不満なわけ?」
ぷぅっと、頬を膨らます美涼。
「いや、そんな事はないけど…。かぐや姫は見つかったの?」
「…一応。でも、多分騙されたと思うよ。きっとあっちが本命…って、美﨑が言ってた。」
欠伸をしながら美涼は言う。
「?。美﨑が…? もしかして、麗たちの方に、美﨑が行ったのか?」
「そう言うこった。多分、あの撫子って言うのがかぐや姫だろうな。妃様も少しどもって、な…美紅だ。何て言いやがったし。」
美﨑が…もう一人の方に…? コレは確信しても良いだろう。
「美涼。行こう、美﨑の占いは百発百中だ。」
「初恋隊長? もうそろそろ、呪術って言いなよ。」
苦笑しながら、美涼は言う。
「うるさい。高杉だって、待っているんだ。美﨑なら上手い事手を打ってくれるはずだ。」
その確信に満ちた目は、撫子をとらえていた。
紅月が満ちるまで後—— 十五分。