二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 真選組★波乱日記★ ( No.500 )
- 日時: 2010/08/24 20:35
- 名前: 月芽麻 (ID: H5up09UV)
- 参照: 結局百訓もしょうもない話で終わったぜコノヤローノノ
第百訓【地球は青かった。って言うけど空が青いのは海が青いから】
——紅月が満ちるまで後—— 三分
月の都の港に止められた小さな宇宙船には桜鈴部隊の面々が集合していた。
「…只今。」
先についていた麗と由紀に、美崎は小さく帰還の返事をした。
「お帰りなさい。仕事は出来ましたか?」
少し不安そうに麗は聞く、あんなに冷たくあしらっておきながらも内心は少し優しい麗。
そんな麗の言葉に美崎の心は少し安らいだ。
「…大丈夫だったよ。これ、御土産。」
そう言って、美紅から預かったお餅を出す美崎。
「…あの子が生前に、撫子に渡してと言ってたから…。」
「そうか。じゃぁ、初恋たちが帰ってきたら渡してあげると良い。」
由紀はそう笑う。
そんな朗らかにしていると、初恋たちが帰って来た。
「只今。お連れしたよ、撫子…って言いましたっけ?」
「…そうです。行くならさっさと行きましょ?私は一刻も早く美紅に会いたいのだから…。」
悲しげに少女は呟く。
「…その子が撫子? …じゃぁ、コレ。美紅って子から…。」
美崎はそう言うと、あずかって来た団子を撫子に渡す。
「…これは? 見た所団子のようですが。」
袋の中を覗き込みながら撫子は言う。
「貴方の、親友からです。」
美崎は小さく笑うと奥の部屋へ行ってしまった。
「…ありがとぅ。美紅。」
少女は一筋の涙を流すと「行きましょう…。」と小さく言った。
「仰せのままに、撫子さん。」
初恋はそう言うと、宇宙船を出向させた。
——紅月が満ちるまで後—— 二分。
もう何十分と水につかっている気がする…。
このまま如何なってしまうんだろうと少し心配していしまう。
撫子に一生会えないよりは苦しくないけど、流石にもうソロソロきつい。
そして、このままどこに落ちてしまうのかという不安も美紅にはあった。
——あ、もうソロソロ。つく…?
そう感じた時には、意識はもうあやふやだった。
——紅月が満ちるまで後—— 一分。
「それにしても、皆さん遊び心あるんですね。」
短冊を見ながら山崎はそう言う。
「そうですね。皆さんの願いがかなったらもっといいと私は思います。」
櫻はころころと笑いながら中庭にやって来た。
「それにしても、あの天人の噂本当かな?」
「噂ですか…?私は、本当だと…思いますよ?」
楽しめればたとえ嘘でも素敵な嘘です。と櫻は言って笑う。
「そうだね。でも、現れるのがもうすぐだから願い事言ってみる?」
「そ、そうですね。その方が効率も上がりますし。」
櫻と山崎は空に向かって願いを言ってみる。
——副長にぱしられませんようにぃ!!
——皆さんといつまでも一緒にいられますように。
そんな願いが夜のすんだ空に響いた。
と、同時に中池からドバーンと言う激しい水しぶきの音が聞こえた。
「…え?」
山崎と櫻は声をそろえて言った。
——紅月が満ちたその時に—— 零時。