二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 真選組★波乱日記★ ( No.506 )
日時: 2010/08/25 18:39
名前: 月芽麻 (ID: H5up09UV)

第百一訓【今気が付いたけど月に一番最初に降りた人ってガガーリンじゃないらしいよ?】

真選組屯所の中池に何の前触れもなく水しぶきが上がった。

「…山崎さん。何か中池に落ちました…?」

「…そ、そうだね。まさか、噂のかぐや姫?」

山崎は少し怪訝そうな口で言う。

「…だとしたら。今さっきの水音は…。」

「…。」

二人の間に沈黙が流れる。

「櫻ちゃん。ちょっと中池に行こうか?」

「そ、そうですね。」

少し暗い顔の二人は、足並みをそろえ左手にある中池に向かった。

そして、中池付近をきょろきょろしていると。

「さ、櫻ちゃん?あそこにいる?のは人?」

「…そ、そうです。アレは人…ですか?」

「いや、ちょっと待って何で僕に聞き返すの?」

はいはい、こんな所まで来て漫才は止めてくれよぉ。

「で、でも。山崎さん中池にいるのは絶対人ですよ?」

「あっ、本当だ…って、あの人池に浮いてない?」

その光景を目にした二人は中池に近ずいた。

「ったた。よりにも寄ってこんな浅い池に落ちるなんてうちも不運やわ。」

池に浮いている人——美紅はそう呟いた。

「はて、此処は…と。」

美紅は起き上がり回りをきょろきょろとしていたら人影を視界にとらえた。

「さ、櫻ちゃんあの子こっち見てるよ?」

「意識はあるみたいですね。」

「…着物着てる、…やっぱかぐや姫?」

はい、本日二回目の同時セリフ。

「やっぱりそうですよね?」

「そうだよね?」

「カグヤ姫では無いがそれに近い物じゃな。」

「!?」

急に会話に入って来た美紅。

「えっと…貴方は?」

櫻がそう口にすると少女は小さく笑った。

「月に追われし者…嘉納 美紅じゃ。

美紅はそう言うと綺麗に笑った。

その笑顔は月の明るさに照らされていたが、何処となく寂しげな顔だった。