二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 真選組★波乱日記★ ( No.600 )
- 日時: 2010/09/20 14:05
- 名前: 月芽麻 (ID: H5up09UV)
第百四訓【顔見知りの人はたまに得をする】
「土方さん、そのあっちの方見に行きませんか?」
前略。櫻と土方は真選組の馬鹿隊士たちを探すのに必死になっていた。
「あ?あっちに誰かいんのか?」
櫻の指さす方を見る土方。
「いえ、沖田さんと紀新君が射的で勝負するってもえてたのでもしかしたらと思って…。」
「なるほど。そうと決まれば行くぞ櫻ッ!!」
そう言って、人込みを掻き分けながら土方は足を早ませる。
「ひ、土方さんっ。待ってください。」
しかし、櫻は土方の後ろを追うのだけが精一杯で前を見る余裕がなかった。おまけに、浴衣であって走る事も困難であった。
「っ…。すまねぇ。…その、ホレ。」
土方は、人込みを掻き分けて苦しそうにしている櫻に照れながらも手を出した。
「ぇっ…。あのえっと。ぁ…ありがとうございます。」
櫻は、頬を薄ピンク色に染めながら土方の左手をとった。
「ぃ、行くぞ。」
「は、はい。」
そして人込みを掻き分け、後射的屋まで数十メートルと言う時にとあるペアを発見した土方&櫻。
「み、美紅ちゃんっ!!良かったぁ、迷子にならなかった?」
そう、そのとあるペア—とは…。
「副長っ!!それに、櫻ちゃん!?…って事は、美紅ちゃんがやっぱり迷子に?」
そう、美紅ちゃん&山崎ペア—である。
「な、何を言う退。うちが迷子になったんじゃのぅて櫻たちが迷子に——。」
そう言いかけた時、美紅は喋るのを止め櫻と土方の方を指さしこう言った。
「ほれ見ぃ。副長と櫻手を繋いどるぞ!!」
「え?あ、本当だ…って、え!?副長!?」
最初は普通のテンションだった山崎も徐々にこの場と空気を理解したようだ。
「ち、ちげぇっての!!これは、其のアレだアレ。」
「迷子じゃろぅて?」
「そ、そうですよ…って、違うよ美紅ちゃんっ!?」
乗りに任せて会話をする櫻。
「じゃぁ、何で手を繋いどるのじゃ?」
あ、この子目を輝かせて聞いてますよ。
「えっと、私が人波に流されそうだったから助けてもらったんだよ。」
…まぁ、嘘じゃないですね。一応。
「そうに決ってますよね。副長が自ら手を差し出すなんて。」
山崎は、笑いながら言う。
「て、てか、行くぞ!!後は、あの馬鹿ペアとだな。」
そう言って、辺りを探す土方。
「さ、美紅ちゃんもいこっか。山崎さんも。」
「分かったぞ。」
そう言って、櫻の手をとる美紅。
「ま、待ってくださいよぉ!!」
その後を追いかけるジミー。
はてさて、土方の財布は守られるのか!?