二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 真選組★波乱日記★ ( No.606 )
日時: 2010/09/21 15:21
名前: 月芽麻 (ID: H5up09UV)

—其の弐—【だから、 こんな日はいつも以上に】

まだ夜も明けていない歌舞伎町のとある場所。

そこでは、とある真選組部隊が火花を散らしていた。

「待ってください。過激派浪士さん達っ!!」

そう言う一人の少年の声に合わせて発砲するかのように銃声が歌舞伎町に響き渡った。

「お疲れでさぁ、紀新。今日も結構ぶっ放してくれやしたね。」

「あ、沖田先輩…はい、町の人たちにあまり危害が加わって無ければいいのですが…。」

「そんなこたぁ大丈夫でさぁ。土方のヤローが責任とってくれらぁ。」

そんなあまったるそうな眠たそうな声で一番隊隊長——沖田は言った。

「沖田さんは、半分寝てたじゃないですか。」

その二人の際に口をはさむ一番隊補佐——櫻。

「まぁまぁ、沖田先輩は何時もこんな感じなんですから。」

「其れはどう言う事でさぁ。俺はちゃんと仕事ぐらいしましたぜぃ?」

淡々と物を言う沖田。

「でも、今日の件が綺麗にかたずいて良かったです。コレで、今日が迎えられますね。」

「まぁ、もう今日は始まってるんですけどねぇ。」

沖田は大きな伸びをしながら言う。

「其れを言ったら終わりですよ沖田先輩。…っ!!」

その言葉を言いきった瞬間、紀新は目にも止まらないスピードで駆け出し愛用の拳銃を構えた。

「お婆さん、おはようございます。ですが、此処は少し危険なので伏せててください。」

紀新は、駆け寄った場所にいたお婆さんにそう言うと軽やかに屋根の上に登り射撃を開始した。

「だ、大丈夫ですか?お婆さん。」

紀新が声をかけたお婆さんに櫻はあわてて駆け寄った。

「大丈夫だよ。それよりあの子は大丈夫かねぇ?」

「大丈夫でさぁ。本日が誕生日なんでちょっとテンションあがってますがねぇ。」

「沖田さん、其れを言ったら終わりですよ。」

「おや、まぁ。誕生日なのかねあの子は…それならコレをあの子に。」

そう言って、御婆さんは櫻に赤々とした林檎を渡し去って行った。

「ふぅ、沖田先輩。もう一人確保しました。」

汗をぬぐいながら紀新は言う。

「あ、紀新君。コレ、さっきのお婆さんがおめでとうだって。」

「え?…もしかして、誕生日プレゼントって事ですか?」

「そう言う事でさぁ。有り難くいただきましょうぜ?」

そう言って、紀新は櫻から林檎を受け取ると微笑んだ。

——いつもは、任務任務と忙しい誕生日だったけどこう言うのも悪くはないかな。

「沖田先輩。櫻さん。帰ったらこの林檎食べましょう!!」

その声は、明るかった。