二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 真選組★波乱日記★ ( No.660 )
日時: 2010/10/30 19:41
名前: 月芽麻 (ID: H5up09UV)

第百二十二訓 お餅と僕とそれから銀髪 後編← 

てな訳で、銀時は僕のお金でお餅を食べまくってます。

「…なぁ、初恋。テメェ、あいつは元気にしてんのか?」

隣で餅をバクバク食ってた銀時がその手を止め僕に聞く。

「アイツって…兄さんの事?」

「あぁ、何時もならテメェと一緒にいるだろうと思ってな。」

「…兄さんは、あの日以来姿を見せた事は無いよ。」

兄さん。ソレは僕にとって唯一の家族だった。

「そっか。つまんねぇ事聞いて悪かったな。」

そう言って、ほうじ茶を口に含む銀時。

僕の兄さんの名前は…雨欟 終恋。攘夷戦争の有る日を境に、行方不明となった。

「まぁ、どうせ兄さんの事だしどっかでノラリクラリやってると思うよ?」

「まるで、テメェみたいだな。放浪癖ってやつ?」

「僕にそんな癖ないよ!?かってに設定捻じ曲げるのやめようか!!」

「まぁまぁ。あ、ホレお餅食え。」

「あ、ありがと…って、コレ僕のお金で買った奴だから!?」

切ない話をしてしんみりとした空気を銀時は冗談に変えた。

「…銀時、何か変わったね。何処がって言うのは良く分からないけど。」

初恋は、銀時がアノ頃とは違うように見えていた。

「そうだなぁ。銀さん、新しく守る物が出来たから。だろうな。」

そう言うと、銀時は緩んだで笑う。

「それっ——。」

僕がある事を聞こうとした時、橋の向こうで明るい女の人の声が聞こえた。

「銀時!!やっと見つけた!!早く、仕事は言ったよォォ!!」

「げっ。杏奈かよ…仕事か、かったるいな。」

銀時は、天然パーマの髪…もとい頭をかく。

「銀時…家族できたの?」

「はぁ?…まぁ、其れに近いものか?」

苦笑しながら、銀時は言う。

僕は少しのショックを受けた。其れも二つ。

家族と言う単語は晋介の次に銀時には縁のないものだと思っていた。

「銀ちゃん!!早く来るアル!!」

「銀さん!!」

そして、子供もいるって事だ。てか、二人!?

「うんじゃぁ、俺仕事言ってくるわ。」

「うん、幸せにね。銀時。」

「テメェもな。仕事はしっかりやれよ?」

「銀時に、そっくりそのまま返すよ。」

その言葉を聞いた途端銀時はまた笑った。

さて、僕も【居場所】に帰るか。

そう思うと、初恋は桜鈴部隊の隊員がまつ【居場所】へと足を運んだ。

——で、無事帰ってこれたんですが…。

「初恋?主は何処をほっつき歩いてたんですか?」

「え?え?今日は行きつけのお餅屋さんだけど…。」

「だけど、じゃありませんよ!?主のせいでどれほど会議が押してると思ってるのですか!?」

麗は、いつも以上に怒ってました。

…僕何かやらかしたっけ?とりあえず謝っとこ。

「…麗、ごめん。今日からしっかり仕事する。…多分。」

「…謝るときに言い訳をしないなんて珍しいですね。…まぁ、今回はよしとしましょう。双子も帰ってきてませんし…。」

え?双子帰ってきてないのに何で僕がこんなに怒られてんの!?

「ほら、行きますよ初恋。」

「…うん。」

——まぁ、良いか。

コレが今の僕が居る【家族】と言う存在に近いものなんだと思えたから。