二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 真選組★波乱日記★ ( No.691 )
- 日時: 2010/11/18 20:36
- 名前: 月芽麻 (ID: H5up09UV)
第百二十五訓【注文の多い俺の心情】
「櫻。何やってんだ?」
秋の風が感じられるようになって来た江戸全体。
屯所の縁側でのんびりしている櫻に友里亜は声をかけた。
「あ、友里亜ちゃん。」
櫻はそう言いながら笑う。
「ん?…其れなんだ?」
櫻の手元を覗きながら、友里亜は言う。
「…私の大事な宝物だよ。アル人から貰ったとっても大切な…。」
櫻は、手元に握るペンダントを友里亜に見せる。
「副長から貰った奴か?」
「違うよ。コレは…私の命の恩人からのプレゼントなんだ。」
いつも以上に、悲しそうに笑う櫻。
「へぇ。…そうなんだ。櫻の恩人ってどんな人なんだ?」
「どんな人…土方さんに似てて友里亜ちゃんみたいに髪の長い人だったよ。」
「…そっか。で、その人とはどこで出会ったんだ?」
「…攘夷戦争。私の家に、天人がやって来た時…助けてくれたんだ。そして——」
——攘夷戦争?あの、歴史に残る大戦争の?
「…っ。櫻ごめん。何か悪い事聞いたような気がする…。」
苦虫を噛んだような顔を見せると、櫻はポカンとした顔を見せた。
「悪い事?何で、私は今この話を友達である友里亜ちゃんに話したかった…ただそれだけだよ。」
フワッっと急に頭を櫻に撫でられた。
「それに、その時であった黒髪の剣士さんは私にこう言ったの。」
——お前だけでも生きろ。
「それは、私にはとっても暖かく聞こえたんだ。友里亜ちゃんはそんな体験ない?」
「暖かく聞こえた事か…?」
友里亜は目をつむると櫻と出会った時の事を思い出す。
——貴方という存在に出会えたことです。
「…あったかも。」
「そうですか。…其れはどんな言葉だったの?友里亜ちゃん。」
「あー。…ナイショ。」
そう言って、人差し指を立てる友里亜。
「えぇ!!私は教えたのに友里亜ちゃんは教えてくれないんですか。」
「まぁね。」
友里亜は笑顔で言うと櫻の横にもたれかかる。
「?。友里亜ちゃん?」
「今更だけど…ありがとな櫻。」
「…どういたしまして。友里亜ちゃん。」
そう言って、縁側で二人は色付く紅葉を何時までも眺めていた。
——暖かく聞こえた言葉は誰でも無い君の言葉——
——何時までも、君の傍に入れますように——