二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 真選組★波乱日記★ ( No.735 )
日時: 2011/03/01 16:57
名前: 月芽麻 (ID: DSoXLpvQ)

第百二十八訓【春はまだ遠い 前編】

「あっ、手紙だ。誰当て…」

真選組の郵便受けから覗く手紙を抜きとり宛名を見る山崎。

「ん?どうしたの退。手紙なんか見つめて…まさか、ジミレター?」

「うわっ!?宙翔君、急に顔出さないで下さいよっ!?てか、何だよジミレターって地味に渡す手紙の事かっ!?」

「うん、そうそう…って、コレ紀新宛の手紙?」

ひょいっと、手紙を山崎の手から取り上げる宙翔。

「え?あぁ、そうみたいだね。でも、誰から?」

「…さぁ?紀新に手紙書く奴なんていた?」

「いや、そりゃぁいるでしょ?友達とか…両し…」

「居ないだろ。…たく、退僕が届けてくるよ」

宙翔は、そう言って紀新の部屋へと足を向ける。

「うわぁ。俺まさかの失言しちゃったよ…紀新君のは両親いないってのに…」

自分の失言にへこむジミー山崎。たく、何やってんだよ。

「菖蒲の便せん…か。由紀らしいな。…おぃ、紀新入るよ」

手紙を見つめ宙翔は紀新の部屋に手をかける。

「ふわぁ…。って、何で僕が返事する前に部屋に入ってくるんだよ宙翔」

「昔からのなじみだろ?…じゃなくて、手紙」

「手紙?…誰から…来たもの?」

紀新は、宙翔の方に目を向け問う。

「…さぁ?誰からかわかんないね、でも紀新に一番近い人じゃないの?」

「答えてるじゃんか…で、珍しいね手紙なんか」

「ん?…そう言えばそうだな。で、ハイ」

「ありがと。で、何か口に言えないような事でも書いてるの?」

紀新は、面白そうな目で宙翔を見る。

「…はぃ?いや、其れ僕が書いた物じゃないよ」

「えっ、何だ違うの?…じゃぁ誰?」

「…開ければわかるんじゃねーの?」

「…そうだね」

そう言って、懐から刃物を取り出し綺麗に便せんの封を開ける紀新。

「うんじゃ、僕は機械の整備に言ってくるよ」

「うん、手紙ありがと」

「…おぅ」

そう言って、宙翔は紀新の部屋を出て行った。

「宙翔じゃなけりゃぁ、誰が僕の一番近くの人なんだよ…」

ひとり呟きながら、中に入っている手紙を取り出す。

「…ホントだ。珍しいな、一体何の用だろ」

——あのひとが僕に手紙を送ってくるなんて。