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第四十六訓【風】

ぱんっ。

「やっぱり、櫻。実戦でもやりやすねぇ。」

「ありがとうございます。」

稽古場の庭では、戦いが続いていた。

「おい、アホ方。あそこにいるの櫻じゃねえか‽!」

「総悟と、実戦練習か?」

「実戦って…。俺より高度な事やってんのかよ!!」

土方に突っ込みつつ、友里亜は櫻の戦いに見とれていた。

ぱんっ。

「ここまで付いてくるたぁ。凄いですぜ?」

「そうなんですか?でも、まだまだ大丈夫です。」

二人は、風のごとく竹刀を走らせる。

「すげぇ…。何だ、アイツ。」

「一番隊隊長…沖田　総悟だ。」

「そんな奴と、互角で戦ってんのか?やるな、櫻。」

二人は、感心しながらソレを見た。

「剣の筋は悪くねぇ。お前も頑張れよ。」

土方はそお言うと、屯所へと戻って行った。

「はいはい。たく…、それにしても、櫻強いな。」

ぱんっ。ぱぁん。

「っと。甘いですぜぇ。」

「其れは———どうでしょうか!」

櫻の竹刀は、宙を舞う。

「竹刀をほったら、試合になりやせんぜッ———!!。」

「こっちです!!」

ぱぁあん。

沖田の竹刀は、宙を舞った。

「な…。竹刀?なんで二つあるんでさぁ。」

「え？あ、アレはただの木の枝です。」

櫻は、木の枝を拾い沖田に見せた。

「…考えやしたね。」

「そうでもないですよ。」

二人は、静かに笑いあった。