二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: モンハン Ep3 イヴァリス・ヴァスカビル ( No.35 )
- 日時: 2010/06/01 16:45
- 名前: 風 (ID: JuK4DjxF)
- 参照:
MonsterHunter Ep3 イヴァリス・ヴァスカビル
第八話「そして,二年が過ぎた」
(ヴォルト・ジル視点)
此処からは俺が語ろう。
俺達人外の者達の大きな転機となった時の話だ。
イヴァリスさんが惨敗して三年の月日が過ぎた。
俺はその頃十五になってようやく親父であるメンフィスから狩人として狩場に行く資格を得た。
当時の俺はぺーぺーだったがそりゃぁ人外の者達って化物集団の三番手と正規メンバーの息子だ。
無論,酒場に行くとスゲェ喝采を浴びた物だ。
「よっ!期待の星!!」
「あれがメンフィス・ジルの息子か。中々良い体格だな」
とか気体の目で見る連中が多く勿論才能が有るだろうと思いこんで猟団に入らないかと
スカウトしてくる奴等も堪えなかった。
一番ビビッたのは十五の餓鬼にスゲェ美人のキリン装備の女の人が色仕掛けでスカウトしてきた事か。
幸い貞操の危機は免れたが(←!?)あれは一種のトラウマだ。
そんな俺はその日,何時もの様に下位のクエストをせっせと行っていた。
クエストの内容は薬効成分の強い古の秘薬とかに使われる素材ケルビの角3つの納品だった。
クエストの目的地に着くまでの方がはるかに時間が掛かった位だったぜ。
ズバァ…
「やれやれ最後の一つだ」
そう言ってその頃は双剣を使ってケルビとか弱い奴を
弱い者虐めしているような虚しい感覚で狩ってた。
「ゴメンな」ってもう何も聞こえない命を鎖した小さな鹿の様なモンスターに
一言言って俺は雄のケルビの角をナイフで殺ぎ取る。
始めて殺ぎ取りをしたときは気持ち悪くて吐いた。
そんな簡単なクエストを討伐して俺が帰ってきた時だった。
始めてハンターを送る為の荷車がある場所でイヴァリスさん達に会ったのは…
無論,親父と一緒の所属だ。何度も話した事は有るんだぜ?
でも,狩りに出る瞬間と何時もじゃ雰囲気が違ってさ…少し威圧感にビビッた。
俺は怖かったんで遣り過そうとしたがあっちはどうやら気付いて見逃さないでさ。
声を掛けて来た。
「おっ!ヴォルト君じゃないか?今回は何のクエストしてたんだ?」
「ケルビの角の納品です」
「へぇ〜,ケルビの角かぁ!意外と手に入らないよな…」
「そうでもないっすよ?狩場に行って30分で終わりましたから…」
俺がイヴァリスさんの質問に滔々と事実を述べていると少し遅れてきた女の人が
話が聞こえたのか声を掛けて来た。
サバサバした然し色気の有る声良く聞く声だ。
虚無僧の様な服装をしているから分らないが本当はスタイル抜群の背の高い美人…
その頃の人外メンバーの四番手にして今の人外の者達の武器職人,トレミューラさんだ。
因みに俺の盾のチェーンをつけた人でもある。
「いや…大した物だな。如何にケルビと言えど奴等が好む草の有るエリアまでは遠い。
最短ルートじゃないと其処まで行って戻ってくるのに三十分は無理だ」
「はっはぁ!褒めてくれて有難う」
ガシィ…
ニタァ
「俺も褒めたんだけど何なのかなその温度差は?」
「ヒイィィ!!!」
「子供だな…」
イヴァリスさんに脅されて俺は大声で叫んだ。
無論,イヴァリスさんが少し暴力振えば俺は生命の危機だった。
トレミューラさんの子供だな発言が哀愁を漂わせていた。
大人の癖して僻んでいるイヴァリスさんに掛けた言葉なのは間違え無いが…
若しかしたらビビリ方が情けなすぎる俺にかけた言葉なのかも知れないと思うと辛かった。
そんな譲許を納めようとイヴァリスさんの一番弟子の常識人のレッドさんが動いてくれた。
「このぉ!褒めたろ俺だって!!」
ゴン
「好い加減にして下さい師匠。周りも見て居ますし…
そもそも人によって反応を変えるのも人なら当然でしょう。」
「うっ」
その弟子の一言にイヴァリスさんはスゲェ泣き顔して食って掛かるでもなく歩きだした。
然し,そう言えばワルキューレさんが居ないと気付いて俺は今度はこっちから声を掛ける。
「あれ…ワルキューレさんは?」
「死んだ」
ゴッ!
「勝手に殺すんじゃねぇ馬鹿ババア!」
トレミューラさんがサラッと言う。
其れを後ろから来たワルキューレさんが石を投げて黙らせる。
どうやら相当癇に障ったらしくトレミューラさんが振り向くと更にもう一個投げつけてた。
そうして凄く重そうな装備をズルズル引きながら僻みの様にあの人は言う。
「ったく!こんな馬鹿みたいに荷物持ちやがって!本当に何度死に掛けたか…
狩場に行く前に傷付くとか馬鹿か!?」
至極ご尤もな事を言うとトレミューラさんは言う。
「お前馬鹿じゃないのか?」
「グッ!!」
それを聞いたワルキューレさんは音を上げた。
自分が馬鹿だと自覚しているのだと周りに知らしめるような自他共に認める馬鹿だ。
そんな人外の者達なら何時もの光景を周りは微笑ましそうに眺めている。
無論,眺めながらも各々の仕事はきっちりこなしていたけどな。
最後に俺は問うた。
「えっと,イヴァリスさん達は今回何の狩りに?」
「あぁ,それはな」
ガシッ…
「師兄…今回は特別緊急クエストです。他人に公言してはいけないとあれ程」
「あぁ,ここから北にある極寒の村が有るだろう?
そこで正体不明のモンスターの異常発生が起こってな?」
口の軽かったワルキューレさんをレッドさんが止めたから
クエストの内容が聞けなくなると諦めた時更に口の軽いイヴァリスさんが喋りだした。
「えっ?詰りその異常増殖したモンスターたちの討伐?」
「出来ればそうしたいがその原因の究明と其れがモンスターだったら討伐しろとの事だ」
「師匠!」
「まぁ,こうなったら仕方ないさ…幸いギルドナイツの連中もその縁者も居ないようだしな」
師匠が喋るべきじゃない事を喋ってしまった事に当時のレッドさんは相当憤っていたが,
さすがトレミューラさんは頼りになった。周りに敵が居るようなら黙らせていたんだろう。
それを黙らせ無かったって事は敵が居なかった証拠,俺はその後何の問題も無かったしな。
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俺はその日,余り疲れはしなかったが次のクエストに行く気も無かったし
親父達には1日一つ異常のクエストに行くのは危険だと止められていたから当然の様に帰宅した。
「うっ……本位ちゃんと本棚に入れて寝てくださいよメンフィス」
「わりぃわりぃ……遂最近の狩りの疲れが出てな」
「もう!大丈夫なの!?来週には古龍が東方の関所に来て
そいつの討伐に行かないといけないんでしょ!?」
「そうだな……今週は休むか…適当に♪」
ガチャッ…
「あっ!お兄ちゃん帰ってきたっぽいぃ♪」
「だと良いな」
「ただいまぁ」
「この声お兄ちゃんだよぉ♪」
「よし!思い切り飛び掛ってやれ♪」
「うん!!」
扉を開ける前お袋と親父の大声が聞こえてきたから
また喧嘩かと経緯を待ってからドアを開けることにする。
喧嘩の内容は唯の親父の整理整頓の問題だと知り俺は息を撫で下ろす。
古龍との決戦が近いって話も有ったが親父は何度も古龍を狩っている猛者だし
大丈夫だろうと油断していた。
俺は安堵してそしてドアノブに手をあて扉を開ける。
扉の開く音を感じた妹のアンジェが反応する。
アンジェは俺のことが大好きだ。いや,家族の皆を愛する太陽の様な奴だった。
そんな太陽になるべく姿が見えるまでワクワク感を与えてやろうと声を変えたが直ぐにばれた。
愛の力かとか昔は馬鹿なことも考えたさ。
親父が飛びつけって命令すると当然のように扉を開けた俺にアイツは飛びついてきた。
ズダァン…
「うおっ!?ふぅ……お袋ぉ,今日の飯何?」
「そうね…リュウノテールで造ったステーキだけど……其れよりアンタ」
「はい?」
「武器防具はちゃんと自分の部屋に脱いでキチッと整えて体は洗って置いてね」
「えっと,あと何分で御飯でしょう?」
「10分程度かしら?普通に出来るでしょう?」
「たった十分で(汗」
「早くしろ!」
「はいぃぃぃぃ!!」
ドタドタドタ
「お兄ちゃん早い早い♪」
「やれやれ,流石人外の七番手半端な大型モンスターよりずっと」
バキィ…
「下らないジョークはやめた方が良いわよ?女に嫌われたく無ければね?」
「はいいぃぃぃぃぃ!!」
「やれやれ母は強し…だね♪」
「本当に…男なんて馬鹿な生物なんだから女がしっかりしないとねアンジェちゃん♪」
「うん♪」
是が俺達の家の家族関係だった。
はっきり言って男尊女卑なんて欠片も無く寧ろ女であるお袋たちが強かった。
ロングの栗毛で優しそうな笑みを含んだ蒼の水晶の様な瞳が特徴のお袋セツナ・ジル。
そしてイヴァリスさんの親友であり人外の三番手の親父ヴォルト・ジル。
そして,俺より唯一年下で俺を兄と慕ってくれた小さい命アンジェ…
俺はこの家族を護れる位強くなりたかった。だからハンターになった。
だが,運命は残酷な物だ。
俺の家族はフルフル等遥かに及ばぬ雷の龍と遭遇しその数ヵ月後命を落すのだから…
最も,この語りの中ではもう少し俺の親父たちも出るけどな。
∞END∞
NEXT⇒第九話「血に燃える凍土」へ
〜ちょっとじゃれあい〜
ギルス「えっと,皆様お気づきだと思いますが今回から台本書きじゃなくなりました」
ヴォルト「少し分り辛いと言うことが有ったら何なりと言ってくれ」
イヴァリス「誰が何を喋ってるか分らないってのは有るかも知れねぇな…」
ヴォルト「まぁ,所詮風だしな」