二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 27話更新 ( No.102 )
日時: 2010/06/09 21:56
名前: アビス (ID: 4K4kypxE)

28話〜仲間の居場所を守るために〜




〜フェアリーテイル・ギルド〜

「くっそ〜!!痛え!」

「まさか撤退する羽目になるとはな。まだギルドやレビィたちの仇も取れてねえってのに!!」

ファントムに殴りこみに行ったメンバーは今ギルドに戻っている。
あの後マスター・マカロフを抱えて戻ってきたカムイを見て、エルザが撤退命令を出した。
反抗したものも多かったが、マスターの抜けた穴は大きく余儀なくされた。

この撤退の時ナツは、一人でどっか行ってしばらく帰ってこなかったが、
帰ってきたときには何故かルーシィも一緒だった。

そこで明かされた真実は驚愕なことだった。まず初めにルーシィがお嬢様だってこと。
ルーシィのファミリーネームはハートフィリア。この国を代表する資産家の令嬢だった事。
ルーシィは父の言いなりになるのが嫌で家出をしていたらしい。

そして今回、ファントムがフェアリーテイルに手を出してきたきっかけを作ったのは
ルーシィの父がファントムにルーシィを連れ戻してきてくれという依頼だそうだ。
そして一度捕まったルーシィをナツが助けに行っていたということだ。

「どーした、まだ不安か?」

全てを話したルーシィが震えているのを気にしてグレイが言う。

「ううん。そうじゃなくて・・何か、ごめん」

顔を伏せながら辛そうに言うルーシィ。

「まあ、金持ちのお嬢様が狙われるのは運命よ。そして、それを守るのが漢の務め」

「そういうこと言うんじゃねえよ」

エルフマンの言葉にグレイがつっこむ。

「お嬢様・・かあ」

突然ナツが難しい顔をして呟いた。

「どうしたの、ナツ?らしくない顔して」

ハッピーの言葉にナツはああ、と言った後

「いや、ルーシィに『お嬢様』ってのは似合わねえ響きだなって思ってよ」

ナツの言葉にルーシィはどういう意味よ、と言いたげな表情で顔をあげる。

「この汚ねー酒場で笑って、騒ぎながら冒険してる方がルーシィって感じだ。
家出してぇくらい居たくない家なんだろ?居たくもねぇ家に戻ったって何にもねーだろ。
ならお前はフェアリーテイルのルーシィだ。そしてここがお前の家だ」

笑いながら語るナツを見てルーシィの目に涙が溜まる。

「泣くなよぉ、らしくねえ」

「そうだ!漢は女の涙に弱い!!」

「だって・・・・」



—ズウン!ズウゥゥン!!ズシィィン!!!—

「何の音?」

ギルドの皆が音の正体に探る。

「外だーーー!」



「な・・なんだあれは・・・」

ギルドの皆が見上げるそれはあまりにも衝撃的だった。
湖の方から建物が歩いてきているのだ。その建物の至るところにファントムのマークが記されている。

「ギルドが歩いて・・・」

さすがに開いた口が塞がらない。その間にもギルドはこちらに向かってくる。

「想定外だ・・・まさかこんな方法で攻めてくるとは・・・」

エルザも冷や汗を流しながら呟く。

そのギルドの頂上部分にファントムのマスター・ジョゼが立っていた。

「魔導収束砲、ジュピター用意」

ギルドの前方に巨大な大砲のようなものが現れると急激にそれに魔力が注ぎ込まれる。

「消せ」

「まずい!皆伏せろ!!!」

エルザは皆にそう言うと自分は前に走り出した。

「おい、エルザ!どうする気だ!!」

グレイの言葉もよそにエルザは換装をする。

「ギルドはやらせん!!!」

エルザが換装したのは金剛の鎧という、防御力に絶対の力を誇る魔法の鎧だ。
エルザはこれでジュピターを受け止めるつもりなのだ。

—ドゴォォォォ!!!!—

ジュピターが発射された。ジュピターは真っ直ぐフェアリーテイルのギルドに向かう。

「エルザーー!!!!」

「よせナツ!今はエルザを信じるしかねえ!!!」

エルザは向かってくるジュピターにもまったく恐れず立ち向かう。

—ゴオオン!!—

ジュピターがギルドの一歩手前、エルザにぶつかる。

「ぐあああああ!!」

エルザの金剛の鎧は砕け散り、エルザ自身も倒れこむ。
だが、ジュピターも同じように砕け散った。

「す・・すげえ。あれを止めちまった」

「さ・・さすがエルザ。・・・けど」

エルザは倒れこんだままピクリとも動かない。

「エルザーーー!!!しっかりしろ!!」

『マカロフ、そしてエルザも戦闘不能』

ギルドの方からジョゼの声が聞こえる。

『最後の忠告だ・・ルーシィ・ハートフィリアを渡せ』

ナツが怒りで震えた後

「俺達は何があっても仲間は売らねえ!!!お前らぶっ潰してやる!!!!」

『・・・そうか、ならば貴様たちにあるのは死と絶望だけだ!!!
さらに特大のジュピターをくらわせてやる!装填までの15分間、恐怖の中であがけ!!!』