二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 32話更新 ( No.112 )
- 日時: 2010/12/08 22:14
- 名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
33話〜忍び寄る絶望〜
「鉄竜棍!!」
右腕を鉄の棒に変え、カムイに向けて伸ばす。カムイはそれを難なくかわすと、
ガジルとの距離を詰めようと前へ飛び出す。
「鉄竜剣!!」
今度は足をギザギザの剣に変えて、周りの物を薙ぎ払いながら向かってくる。
それを今度は受け止める。
「ギヒッ!鉄竜針!!」
鉄竜剣の表面がぼこぼこしたかと思うと、そこから無数の鉄の針が飛び出した。
カムイはぎりぎりのタイミングで退き、逃れた。
「ギヒッ!!はえーなぁ!」
にやにや笑いながら言ったガジルの言葉に、カムイは睨みながら言った。
「・・・臆病者って言いた気だな」
「そう言ってんだよぉぉ!!」
ガジルは満足そうにそう言うと地面を蹴った。そして、手を槍のようにせる。
「鉄竜槍・鬼薪!!!」
槍の連続ラッシュがカムイを貫く。だが、すぐにガジルはそれが本物じゃない事に気づく。
「お返しだ。雷刃剣・麒麟!!」
電気を帯びた太刀が連続でガジルを捉える。ガジルは吹き飛ばされながらも大勢を崩さず着地する。
「・・・直撃したと思ったんだけどな」
「鉄の鱗は全ての攻撃を無力化する」
ガジルの体は全身鋼色で表面には先ほどの攻撃の少し焦げている程度だった。
「貴様の攻撃は俺には届かない・・・・!!」
話し終わるかどうかの一瞬でカムイはガジルのまん前まで近づいた。
これにはさすがにガジルも予想外らしく、対応が遅れる。
「雷太刀・爪牙!」
凄まじい電撃がガジルの胸を横に走る。衝撃でガジルは吹っ飛ぶが、立ち上がるとへらへらしている。
「ギヒヒヒ!何度やっても同じこと・・・・」
—バキン!!—
ガジルが言いかけてる最中、攻撃を受けた胸の辺りの鉄の鱗が砕けた。
「何驚いてんだよ。こっちもお前と同じ太古の魔法の使い手だぜ。
なめてっとその鱗、全部削ぎ落とすぞ」
「竜の羽ばたきを邪魔する奴は噛み砕くまでだ。
ぐちゃぐちゃにしてやるよ、イタチヤロー」
——————————
「はあああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「うぉらぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
—ズガガガガガガガガガ!!! ガン!! ガキンッ!! ゴツッ!!! バキッ!!!—
「鉄竜の咆哮!!」
「虎降雷!!」
—スドーーーーン!!—
「「はぁ、はぁ、はぁ」」
長い戦いで両者とも大分息が上がっていた。戦況的には互角の戦い。
「ちっ!時間があればもう少し楽しみてぇとこなんだが、時間がねえな」
ガジルは一人でそう呟くと、そこらへんに落ちている鉄材をバキバキ食べ始めた。
「そういやぁ、ナツは火を食べると力がアップしてたな。こいつも同じか。
けど、いつまでも敵の食事を待つほどの余裕はねぇんだ!!」
ガジルの元に走り寄るカムイだが、ガジルの注意が自分ではない方に向いていることに気がつく。
その方向にはリーダスが倒れていた。ガジルが不敵に笑う。
「まさか!!!」
「鉄竜鱗・斬雨(きりさめ)!!!」
ガジルはリーダスに向かって無数の鉄の刃を飛ばす。そんなもの、無防備で喰らったら終りだ。
カムイはリーダスの前に立つと手を前にかざした。
「雷光灼火(らいこうしゃっか)!!!」
電熱がカムイの前に隔てるように張る。電熱の壁に当たった鉄の刃はその場で溶けて落ちた。
ガジルはこの技じゃ倒せないと思ったのか、この隠れ家を柱を折り家を崩壊させた。
「げほっ!!ごほっ!!無茶しやがって。リーダス!無事か!!」
辺りを見渡すと、リーダスは瓦礫のしたにうもっていた。
「う・・うう。あれ?俺、いつのまに外に?」
やっと目覚めたらしい。カムイが安堵のため息をつくがそれも束の間だった。
「あれ、ルーシィはどこだ、カムイ?」
「!!!」
辺りを見渡すがどこにもいない。するとチーがしきりに鳴いた。
それを聞いてカムイは舌打ちをすると、すぐにギルドのほうに駆け出した。
ルーシィがいるファントムギルドの元へ。
——————————
ギルドに戻ってみると壮絶な状況を目のあたりにした。
ギルドのメンバーが皆、ジョゼの魔法、幽鬼によって苦しめられていた。
見た感じ幽鬼の戦闘能力が格段にアップしている。
「雷太刀!!」
幽鬼にやられそうになってたメンバーを助ける。
「カ・・カムイ。済まねえ、助かった」
「今一体どういう状況なんだ?」
向かってくる幽鬼を薙ぎ払いながらカムイは問い詰める。
「あ・・ああ。どうやらルーシィがまたファントムの元に連れて行かれちまったらしい。
それでマスター・ジョゼが、俺達を皆殺しにするためにこんな状況に・・・」
「・・・俺がジョゼを止めてくる」
「ば・・馬鹿!!止せ!!!ジョゼはマスターと同じ聖十大魔導士の一人だぞ。
俺達が敵う相手じゃねえぞ」
カムイは一度拳を強く握りしめたが、すぐに拳を開く。
「それでも、誰かがやらなきゃならないんだ。
それにギルドを、仲間をここまで傷つけられて黙ってられるか。
あいつの顔に一発でもいいからぶちこんでやる」
そう言うと、カムイもファントムのギルドに乗り込むために走り出した。