二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 34話更新 ( No.114 )
- 日時: 2010/09/13 16:26
- 名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
35話〜もがれゆく羽根〜
「影討ち?」
「そう、まぁルールは簡単に言っちゃうと通常攻撃に加え、影への攻撃も
本体にも影響を受ける。こんな風にね」
ヒュートは小石を拾うと投げた。それがカムイの影の顔の部分に落ちると
カムイは顔に何かが当たった感覚がした。
「理解した?」
「・・・なるほどな。ああ、理解した。そんじゃあ、とっとと始めようぜ!!」
カムイは速攻を仕掛ける。ヒュートはそれに臆することなく立ち向かう。
互いの斬撃が入り乱れる。今行っているのはただの斬撃戦。
だが、このゲームはそれで終りはしない。
ヒュートは隙を突いてカムイの影へと攻撃を仕掛けた。
カムイは影と刀の間に太刀を入れ防ぐと、そのまま太刀を切り上げヒュートの刀を吹き飛ばす。
「はぁっ!!」
「紙刀」
—ガキン!!—
ヒュートが腰巾着から折り紙を取りだすと、それを細く小刀状に折った。
そしてそれが、大型模型の力で本物の刀のようになってカムイの一撃を防いだ。
離れたヒュートがさらに追い打ちをかけてきた。
「紙手裏剣!!」
カムイは向かって来る手裏剣を全て叩き斬る。その間にヒュートは自分の刀を抜き取っていた。
「独楽・逆打ち上げ花火!!」
ヒュートの周りに幾つものコマが出現する。
「いっけぇーーー!!!」
それが隕石のように下に向かって落ちてくる。落ちたコマは地面に割るほどの威力がある。
何とか落ちてくるコマを防ぐカムイだったが、その中の一つが影に当たってしまった。
「がはぁ!!」
まるで太い針で刺されたような痛みが体に走る。
「まだまだぁ!!独楽・破岩相撲」
地面に落ちたコマがお互いがぶつかりながら、壁、床、天井にぶつかりながら暴れている。
コマはお互いの衝突では壊れないものの、壁などに当たると、壁が粉砕された。
もちろん、コマはカムイにも襲ってくる。
「雷冥!!!」
カムイはありったけの力でコマを全て破壊していく。
全てのコマを破壊した時、カムイ自身もかなりの疲弊していた。
「ん〜〜。やっぱり最初っから可笑しいとは思ってたけど。君、ここに来る前から
もう大分へばっていたでしょう?」
「うるせぇ・・・」
憎まれ口を叩くが、ヒュートの言う事は図星である。
アリアとの戦闘で大幅に魔力を削られ、その後ガジルとの激戦。正直カムイの魔力は底を尽き始めていた。
すると、
—ゴゴゴゴゴ!! ガラガラッ!!—
何の兆しもなく、突然ギルドが崩れだした。
「なんだ・・・何が起こってるんだ?」
「う〜〜ん。どうやら、ガジルさんと火竜が暴れてるみたいだね」
「・・!!ナツが!!?」
ナツとガジル。どちらも竜迎撃用の魔法をもっての戦闘だから、ギルドが潰れても可笑しくはない。
ヒュートは小さくため息をつくと、カムイに背を向けて歩き出した。
「通っていいよ」
「・・・いきなり、どうしたんだ?」
「ギルドはこんな風になっちゃったし、たぶんファントムは終りだと思うんだよね。
このギルドに入れば、楽しく過ごせるかなって思ったんだけど・・・。
期待外れだったみたい。僕はギルドの抗争になんか興味はないからね。
今のへろへろの君と戦っても面白くないからね。またこんど、君が全快の時にまた勝負を挑ませてもらうよ」
ヒュートはそう言うと、カムイに道を開ける。カムイは少し躊躇ったがそのままヒュートの脇を抜けた。
その背を眺めていたヒュートが呟いた。
「フェアリーテイルかぁ・・・。楽しそうなギルドだな」
—————広間—————
「クク・・・。よく暴れまわるドラゴンだ」
「ハァ、ハァ、ハァ・・・・」
対峙しているのはエルザとファントムのマスター、ジョゼ。
その傍らではグレイ、エルフマン、ミラジェーンが倒れこんでいる。
「ナツの戦闘力を計算できてなかったようだな。
この私と同等、それ以上の力を持っているという事を・・・」
「ふん、謙遜は止したまえ妖精女王。君の魔力は素晴らしい。
この私と戦って、まだ倒れていない魔導士は君が初めてだよ。
・・・・そんな魔導士が、マカロフのギルドにいるのは気に食わんのだよ!!!」
ジュゼから放たれた光線がエルザを捉える。エルザは避ける事が出来ず立ち尽くすが
「エルザ!!!」
間一髪、カムイが横から入って光線を防ぐ。
「カムイ!!?なぜお前がここに」
「それは後でいいだろう。まずは目の前のあいつを倒すのが先だ」
カムイはジョゼを見つめながら言った。エルザもそうだな、と言って武器を構える。
「君は確か・・・アリアさんと戦っていた魔導士ですね。
話ではガジルさんとも戦ったと。それに、今しがた下でヒュートとも戦っていましたね。
・・・よく立っていられますね」
「てめーらが、俺の仲間に手を出した。それが今、俺がここに立っている理由だ!」
カムイが駆け出す。それと同時にエルザも走り出した。カムイはジョゼの右側を、エルザは左側から
攻撃を放つ。・・・だが、
「デス・ダークネス!」
ジョゼの両手から蛇のようなものが出ると二人に巻き付いた。
「くっそ!!」
「うっ!」
「ふふ・・・ジュピターのダメージさえなければ、連戦の後でなければ、
こんな簡単に捕まえることもなかっただろうに」
ジョゼは手のひらを少しづつ閉じていく。それと共に二人を絞め上げている蛇もどんどん絞まっていく。
「がっ!!」
「ぐっ!!」
「いいぞ、貴様らが苦しめばあの男の悲しみと絶望した姿が見られる。
さぁ、もっと苦しめ!!」