二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 36話更新 ( No.126 )
日時: 2010/09/28 18:26
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

37話〜大好きなフェアリーテイル〜




「うおっ!!何だ、この光!?眩しい!」

「・・・おい!!見ろ、幽兵が・・幽兵だけが消えていく・・・」

ギルドの付近で今だ幽兵と戦っていたギルドのメンバーが今の事態に叫ぶ。

「妖精の法律だ」

「フェアリーロウだぁ?」

エルザの口から聞いた事がない魔法が出て聞き返すグレイ。エルザは一度頷くと

「マスター・マカロフが裁く超絶な審判魔法。
聖なる光をもって闇を討つ。術者が敵と認識したものだけを討つ、
もはや伝説の一つに数えられる超魔法だ」

「じゃあ・・・・俺達は勝ったんだぁぁぁあ!!!」

ギルドの皆が次々に歓喜の声をあげる。カムイは既にへろへろで、その場に座ろうとしたが。

「カムイ!!」

レナがカムイの元に駆け寄り抱きついてきた。いつもなら直ぐに引き剥がしにかかるカムイだが、
今はそんな体力も正直残っていない。

「レナ・・・。良かった、無事だったんだな」

そう言ってレナの頭に手を廻すカムイ。よく見ると、そこらじゅう傷だらけだ。

「それはこっちの台詞だよ!カムイ、一人でどっか行っちゃって、ずっと見当たらなかったんだもん。
・・・・ずっと戦ってたの?」

レナの心配とも、呆れているとも取れるその言葉にカムイは

「・・・ああ。正直もうへとへとだ」

と、あまりそれを感じさせなように明るく言った。レナは小さくそっか、と呟いた。
その顔はどこか満足そうで、安心したようで、レナはカムイを離さなかった。

———————————————————

「こりゃあまた随分派手に壊れたのう・・・」

ギルドの状況を見たマスターの第一の言葉がそれだった。

「あ・・あの・・・。マスター・・・」

そこにルーシィが申し訳なさそうな顔でマスターに言った。
そんなルーシィにマスターは、なぜそんな顔をしているんだ?と言いたげな表情で

「んーー??お前も随分大変な目にあったのう。
・・・・誰もお前さんのせいでこんな事になったなんて思っとらんわい」

「・・・・・・」

ルーシィは何も言えず塞ぎ込む。

「しゃきっとせんかい。皆で力を手に入れた大勝利なんじゃ!お前さんがそんな顔しててどうする?」

「でも・・・でもあたし・・・」

ルーシィがとても辛そうに自分の胸に手を当てる。それを見てマスターが我が子をあやす様に言った。

「人生生きてけば、圧し潰されてしまいそうになるほど苦悩や悲しみなんぞたくさんある。
・・・・だが逆に心の底から楽しくてしょうがない時もたくさんある。

辛い事があれば、ワシらにその思いを一緒に背負わせてくれ。そして、楽しい事は皆と一緒に笑い合おう。
楽しい事も、悲しい事も仲間が入れば共有出来る。それがギルドじゃ。

一人の幸せは皆の幸せ。一人の怒りは皆の怒り。一人の涙は皆の涙。
自責の念にかられる必要はない。・・・君には皆の想いは届いてはずじゃ。

顔を上げなさい。君はフェアリーテイルの一員なんだから」

「・・・・うっ・・ひっ・・う・・ぅあーーーーーん!!」

ルーシィはその場で崩れ落ち泣いていしまった。それに回復したレビィやジェットたちが駆け寄る。
ギルドの皆もそれを温かい眼差しで見ていた。そんな中マスターがふと、こんなことを考えていた。

(それにしても、ちとハデにやりすぎたかのう・・・。
こりゃあ評議院も相当お怒りなはず。もしかしたら・・いや、待て・・・ヘタしたら禁固刑!?)

「ぅあーーーーん!!!」

「マスター!!?」

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「じっちゃん。この木材はここでいいか?」

「おう、ええよ」

あれから一週間。フェアリーテイルの復興作業はようやく始まった。
なぜ、一週間も始められなかったというと。

「全員動くな!!!!我々は評議院傘下、強行検束部隊ルーンナイトだ!!!」

と、いった感じで一週間、みっちり事情聴取のため皆捕まっていたのだ。
それもようやく解放されたので、こうして復興作業は開始した。

「んん〜〜〜〜〜!!」

「ははっ!無理すんなよレナ。お前、力作業は向いてないんだから、他の奴に任せとけよ!」

遠くで木材一つ運ぶのにも苦労しているレナにカムイが呼びかける。

「大丈夫だもん!私だってギルドのためになにかしなくちゃ・・・・って、そうだ!」

レナは何かを閃くと、運んでいる木材を置いた。

「・・・?何やってんだ、レナの奴?」

不思議に思い見ていると、レナの周囲の魔力が高まった。

「・・・・現れろ。ソルムドール」

「なるほど。土の人形か」

レナが出したのは等身大の土の人形。

「皆!木材はあっちからこっちに運んでね」

土の人形は敬礼すると、いそいそと木材を運び始めた。

「はははっ!俺も負けてられねーな!」

カムイも木材を運ぶスピードを速めた。

「貴様等!!どこに行く気だ!!!働けぇ!!」

遠くでエルザが逃げようとするグレイとナツに怒鳴っている。二人はそのままどこかに行ってしまって、
なんだかんだ、エルザもそのまま二人に付いて行ってしまった。

後に知った事なんだが、ナツたちはルーシィを励まそうと行ったらしい。
ただルーシィは家に居ず、今回の件にけじめをつけるべく。実家に帰ったらしい。

そこで、父親に自分の気持ちをしっかりと告げて、また家を飛び出しフェアリーテイルに戻ってきた。
ルーシィは言ってた。

「あたしはフェアリーテイルなしじゃ生きていけないよ。だってフェアリーテイルはもう、あたしの一部だから!」