二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 37話更新 ( No.127 )
日時: 2010/11/20 22:08
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

38話〜恋の行方は石頼み〜




「はぁ〜〜〜〜〜〜」
「はぁ〜〜〜〜〜〜」

「・・・・どうしたんだジェット、ドロイ?そんな盛大なため息をついて」

ギルドもある程度復活して仕事の受注が出来るようになった頃、ジェットとドロイが
テーブルにぐだ〜〜と伏せっている。見かねたカムイが話しかける。

「カムイか・・・。ほっとけよ、お前には一生解かんねえ悩みだよ」

「そう言うなよ、ジェット。・・・で、何をそんなに悩んでんだよ?」

「・・・実はな・・・・」

ドロイの話によると、二人が悩んでるのはこの間の襲撃のこと。
ガジル相手にレビィを守れなかった事が、二人に相当ショックを与えているらしい。

二人はレビィと幼馴染で惚れているらしいのだが、二人がかりで好きな女の子を
守れなかった事に自身の弱さを痛感しているらしい。

「じゃあ、強くなればいいじゃねえか?」

「あのな、そんな簡単に強くなれたら悩みやしねーーの!」

「カムイーーーー!!」

話の最中にカムイの元にレナが一枚の紙をもってやってきた。

「おう、決まったかレナ」

「うん、これ!面白そうだから選んできた」

カムイはレナからクエストの受け取りざっと目を通すと、にやりとした。

「・・・よし。ジェット、ドロイ。このクエスト一緒に行こうぜ」

「「はぁ?」」

二人揃って言う。カムイはジェット達に紙を見せて、耳打ちをする。

「なるほど、だがそれじゃあ・・・・」

「確かに一種の賭けだが、賭けてみる価値はあるだろう?」

「確かに・・・・」

「ねえ、何の話してるのカムイ?」

レナが3人のこそこそ話が気になり尋ねる。

「ジェット達の助けになろうと思ってな。今回はジェット達のチームも同行するぞ」

——————————占方の町・フォーテュン——————————

「着いた〜〜〜〜!!」

レビィが馬車から降りて大きく伸びをする。
今回の依頼はこの町の付近の遺跡にある、『恋詠みの石』というのを取ってきてくれというもの。
恋詠みの石というのは、持った人間が念じた相手の好きな相手が分かるという不思議な魔石だ。

勿論そこには様々な難関が待っている。ジェット達にとては己を鍛えると同時に、
レビィの好きな人を知ろうと言う事だ。若干悪い気はするが、まあいいだろう。

「よし、行くぞ!」

「おう!」

「あっ、待ってよ二人とも〜〜。置いてかないでよ〜〜〜」

先言ってしまうジェットとドロイにレビィが後を追う。

「ははっ。張りきってるな二人とも」

————————————————————

恋詠みの石があると言われている遺跡に着いた5人。

「よ〜〜し。張りきっていこう!!」

「元気だね、レビィ」

「そりゃそうだよレナちん。恋詠みの石なんてドラマチックだし素敵じゃない!!」

手を合わせながら言うレビィ。ジェットたちも燃えている。

「じゃ、行くか」

中に入ると思ったよりも明るかった。暫く歩くと二つに道が別れていた。

「う〜〜ん。どうしよう?」

「ま、普通に考えて二手に別れた方がいいんじゃないか?
俺らはこっち行くから、お前らはそっち」

カムイが指で行く方を指しながら言う。レビィたちもそれに賛同し、一時ここでお別れになった。

「こりゃ、どっちが先に取れるか競争だな」

「まだまだ新米のおめーらにゃー負けねーよ」

————————————————————

レビィたちと別れたカムイとレナとチーは細い通路を歩いていた。
今まで別段なにか変わった仕掛けやトラップがあったわけじゃない。

「可笑しいな。こんな何にもない所に恋詠みの石なんて置いてあるのか?」

「ん〜〜。こっちは当たりで、もしかしたらあっちが沢山仕掛けとかがあるのかも。・・・ねぇカムイ」

「ん?」

「カムイの両親って何してる人なの?」

レナの唐突な質問にカムイは冷静にさぁ?、と答えた。

「・・・カムイの親の名前って確か・・トルトニスさんだっけ?今何してるか分からないの?」

「ああ。トルトニスは俺がフェアリーテイルに入る少し前に行方不明になったんだ。
元々俺、物心付く前にトルトニスに拾われた身だったから、両親の事も覚えてないんだ。
だから、居所を求めて前前から興味のあったフェアリーテイルに入る事にしたんだ」

「・・・そう・・なんだ・・・・」

突然語られたカムイの過去にレナは相槌を打つしかできなかった。

「ははっ。何でお前がそんな辛そうな顔してんだよ」

「え・・・あ、ごめんねカムイ」

「気にすんなよ。確かにいなくなった時は不思議に思ったけど、元々俺が魔法習ってたのは
自立できるようになるためだったんだ。いろいろ気がかりな事はあるけど、
あの人は会った時からずっと変わった処があったからな。不思議と悲しみとかはなかったな」

カムイが昔を思い出しながら言う。カムイは悲しみはなかったっていったけど、
その瞳はやっぱし少し悲しみの色が浮かんでいた。

「・・・出来れば、まだカムイがトルトニスさんと一緒に居た時の話、してほしいな」

「ん〜〜〜、そうだな。・・・ま、いっか。たまにはそう言うのも悪くないかもな」 番外編1へ→