二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜  55話更新 ( No.193 )
日時: 2011/07/05 21:29
名前: アビス (ID: dFf7cdwn)

56話〜遊神VS雷神の矛〜





「それにしてもカムイの旦那は何時もボロボロだね。趣味?」

「ヒュート!?お前どうして・・・・げほっ!!」

—ボタボタッ!!—

急に叫んだことにより、吐血するカムイ。

「だいじょう〜〜ぶ〜〜〜??」

「はぁ・・・・。どうしてお前がこんなことにいんだ?」

カムイは自分を落ち着かせた後、もう一度尋ねた。それにヒュートはん〜〜、と唸った後。

「どうしてって・・・・ほら!これみればわかるでしょ?」

左頬を突き出す。そこにはなんとフェアリーテイルのギルドマークがついていた。

「お前、俺らのギルドに入ったのか?・・・・・」

と、カムイはそこでマスターが収穫祭前日に言ったもう一人の新人がいると言う言葉を思い出した。
そのもう一人のメンバーというのが、ヒュートだったのだ。

「それで・・・・どうして直ぐに顔を見せなかったんだ?」

事情を把握し、カムイがそう尋ねると、ヒュートはそれがさぁ!!ともの凄い喰いついてきて言った。

「マスターに収穫祭があるって聞いて、すんごいテンション上がっちゃさ〜〜〜!!
もう何週間も全然眠れなくて、そんでようやく眠れたと思ったら丸2日ぐらい経っちゃって、
起きたらもう収穫祭始まってるじゃん!!ってな感じ?」

話終えたヒュートは最後に肩を落とす。カムイはもう面倒臭くなり、これ以上この話題には
触れないようにした。そうしないと、永遠に話が進みそうになかったのだ。

「遊神のヒュート。中々の手練とみた」

痺れを切らしたのか、スザクラは4本の刀を構えて、ヒュートを見据える。
それにヒュートも臨戦態勢に入る。今にも飛び掛かりそうな二人にカムイが口を出した。

「おい!お前の相手は俺だろう!?」

「お前は既にまともに立てないほど疲弊してる。俺の役目はラクサスを邪魔をする奴を止めること。
お前はもう十分だ。なら次はそこの遊神だ」

「まあまあ見てなって旦那。ここはもう僕の遊び場なんだからさ」

ヒュートも随分とノリ気だ。

「お前、今の状況はわかってるのか?」

「大方は。取りあえずあの空に浮かぶ物とラクサスっていう阿呆を止めないと、
折角の大パレードが中止になっちゃうんだろう?」

「まあ、そんなところだな」

ヒュートにマスターの座争いだとか話しても意味無さそうだと感じたカムイはそのまま頷く。

「だったら、やることは一つ!こいつら倒して、収穫祭とファンタジアを楽しむのみ!
いっくぞ〜〜〜〜!!」

ヒュートはそう自分に気合を入れるとスザクラへと走り出した。それに立ち向かうスザクラ。
二人の剣が重なり合うのを見て、カムイは口を開いた。

「俺はもう行くぞ!ここは任せた、ヒュート!」

「あいさ!」

ヒュートの返事を聞いて、カムイは再びラクサスを探すためその場を去った。
その後ろ姿をスザクラは訝しげな表情をしてまま見ていた。

「どうしたの!?」

高い金属音が響き、二人の剣が離れる。
スザクラは剣をだらりとさせたまま口を開いた。

「あの男、あんな体でラクサスを止められると思っているのか?」

「旦那はそういう人だからね!」

ヒュートはそう言うと、自分の周りに沢山の独楽を出現させる。

「独楽・ツバメ返し返し返し〜〜〜〜!!!」

その多くの独楽がスザクラに向かって飛んでいく。スザクラはそれを走り抜けながら交わす。
屋根を壊した独楽は一度ヒュートの元に戻ると、再びスザクラへと飛んで行った。

「無駄だよ!!その独楽は君に当たるまで永遠に飛び続けるのさ!」

「・・・・・なら」

スザクラは立ち止まると、四本の刀を消し、代わりに散弾銃を取り出した。
それを前方、独楽が飛んでくる方へと構えた。

「蜂の巣になれ」

—ドウゥゥン!!—

放たれた散弾銃がヒュートの放った独楽を全て木端微塵にした。しかもまだ弾は生きていた。
弾がヒュートの方へと向かってスピードを上げ飛んで行った。

「うわわわわわわ!!」

ヒュートは慌てた様子でせっせと腰巾着からブロックを取り出した。

「ブロック劇場・ガードゲート」

ブロックはヒュートを囲うように現れ、散弾銃からヒュートを守った。

「ふ〜〜〜〜〜。・・・・・・い!?」

安心して一息を吐いたのも束の間。目の前のブロックにヒビが入ってきたのだ。
空いた隙間からスザクラが剣をブロックに突きたてているのが見えた。

「死ね」

「うわーーーーー!!」

ブロックが破壊されるのと同時に、間一髪のところで剣を避け、ヒュートはスザクラから距離を取る。
スザクラは冷静な面持ちで再び手に四本の刀を構える。

「ふい〜〜〜〜!変わった戦闘スタイルだね」

冷や汗を拭いながら、ヒュートがぼやく。それにスザクラは少し間を開けた後答えた。

「お前がな」

「ははっ、そうだね。けど、君も変わってるよ。
魔水晶に自分の魔力を溜め、その溜めた魔力を磁力に変えて引力、斥力を持たせて
四方からの攻撃を繰り広げる。磁力(マグネット)・・・・それが君の魔法だね」

「それの何が変わっているんだ?」

自分の魔法を見抜かれても、顔色を一つも変えずにスザクラは言う。

「わざわざ魔水晶に魔力を溜めて使う必要があるのかな〜〜〜って」

ヒュートの何気ない言葉にスザクラは刀を持つ手に力を込めた。

「お前らの様に魔法の才がある者たちには分からないだろうな。俺の苦悩が」

—キィイイイン!!—

二人の剣撃が再び混じり合う。だが、確実にヒュートはおされていた。

「スザクラって言ったっけ?君、ラクサスが今、何をしてるか分かってるの?
ラクサスのせいで大事な大事なパーティーを潰れそうになってるんだよ!?」

本当に大事なことは他にもあるのだが、ヒュートは真剣な顔でそう言った。
それにスザクラも口を開いた。

「俺は昔、一度全てを失った。
・・・・だが、そこから俺を這いあがらせてくれたのが、ラクサスだ」